夢の中
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ある夢を見た。
私は真っ暗な闇の中を走っていて…終わりが見えない、永遠の闇の中。
自分が進んでいるのか、右に向かっているのか左に向かっているのか、それとも真っ直ぐ走っているのかすらわからない。
『(誰か、助けて…!)』
あまりに怖くて内心助けを求めながら私はただひたすらにその闇の中を走り続けた。
…その事に自分が一番驚いた。声に出してはいないものの、“助けを求める”なんて…誰も助けてくれないって諦めて十数年前からしていなかったのに…。
『…っあ!』
足がもつれてドサッ、とその場に転ぶ。
でもなんだか何かに追われているような気がしてすぐに立ち上がろうとした、その時。
「ったく…何やってんだよ。」
『…え…?』
ホラ、とぶっきらぼうに差し出された手。
その手を辿って行くと…
『ゾロ、さん…?』
そこにいたのは、眉間にシワを寄せたゾロさん。
『な、んで…?』
「…んだよ、立てねぇのか?しかたねぇな…」
『!?』
いつまでも手を取らない私にしびれを切らしたゾロさんが私の膝裏に手を回して横抱きで持ち上げる。
『ゾ、ゾロさん?』
「…変な遠慮すんじゃねぇつったろ?怖けりゃもっと大きな声で叫べって。」
『!!』
また、まただ。
またゾロさんは私の“声”に気付いてくれた。
現実世界だけじゃなく、夢の中でも助けてくれた…。
夢なのに私を気にかけてくれる彼が嬉しくて…すごく、幸せだと思った。
私がもっと言葉を知っていれば、最上級のお礼を言えたのに。
私がもっと表情豊かだったら、笑顔でお礼が言えたのに。
…私の瞳からは、ただただ嬉し涙が溢れていた。
夢の中
(…まだ3日しか一緒にいないのに、ゾロさんは私の事にたくさん気が付いてくれる…)
(なんだか心がぽかぽか…)