無防備
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……不覚。
あいつを寝かしつけていたつもりが、いつの間にか俺まで爆睡しちまった。
普段は人の気配がしたらすぐ起きんのに(つっても相手が仲間だと分かればまたすぐに眠るが)、今回はチョッパーに起こされるまで全く気付かず…目を覚ました直後、ニヤニヤするナミと目が合った時の「やっちまった」感と言ったら…。
「ふふふー!おはようゾロ、気分はどう?」
「てめぇがそんなニヤついた顔してなきゃ最高だったな。」
この言葉に嘘は無い。いつもより良く眠れた、気がする。
「にしても、サクラ全然起きないわね。」
「…俺はいつまでこのままでいりゃ良いんだよ。」
「もちろんサクラが起きるまでよ?」
「は!?」
「だって、動かしたら起きちゃうかもしれないじゃない!…プププ。」
「てめぇ、面白がってんじゃねぇか!」
「ほら、大きな声だしたらサクラが起きちゃうわよ?」
「…チッ。」
はぁ、と溜め息をついて身体の力を抜く。
…先程から普通の…むしろ大きめな声で話しているにも関わらず、俺の胸にもたれ掛かって眠るサクラは一向に起きる気配が無い。
「どんだけ熟睡してんだよ」と小さく苦笑いしつつ、諦めてそのままにしていると、ナミが驚いた顔でこちらを見てきた。
「んだよ?」
「…あんたのそんな優しい顔、初めて見たわ…」
「はぁ?」
「正直意外だったのよね。あんたが出会って3日しか経っていないその子に優しくするなんて。」
…そういや、一緒に寝てた理由を説明した時も驚いてたな、こいつ。
「…別に、優しくなんかしてねぇ。」
「あら、無意識ってワケ?」
「…お前な。」
からかうような笑みを浮かべるナミに盛大に溜め息をついた。
…自分の命より他人の心配をするような女が敵なワケねぇだろ。こんな超ド級のお人よし、探してもなかなかいねぇぞ。ルフィより上なんじゃねぇか?
「ま、とりあえず晩御飯まではそのままでいなさいよ。無理に起こす必要は無いわ。」
「はぁ!?」
「いーじゃない、恋人同士みたいに女の子にもたれ掛かられるなんて。サンジ君なら喜んでそのままでいるわよ?」
「こい…!?…クソコックと一緒にすんな!」
再び溜め息。
そんな俺に構わずナミは颯爽と部屋を出て行った…っておい!マジで俺このままかよ!?
『…ん…』
「!起き…てねぇな。」
起きてなくても、とりあえずこの体制をどうにかしたい。
サラサラの髪に、柔らかい肌。温かい体温。
…あいつが変な事言うから意識しちまうじゃねぇか…!!
『…ん…ゾ…ロ…さん…』
「……俺?」
『……スー……』
…寝言、か?
つまり、今こいつは俺の夢を見てるって事…
「…っ」
そう思った途端、顔に熱が集まる。
くそっ、柄じゃねぇ…!!!
無防備に眠る君
(…心臓がうるせぇ…。)