小さな声
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…ポツ…
「……ん?雨、か?」
甲板で船番がてら昼寝をしていたら、顔に雨粒が当たり目を覚ました。
…仕方ねぇ、船ん中入るか。
小さく溜め息をついて腰を上げる。
船内に入ると雨脚はすぐに強くなり、雷まで鳴り出した。
再び部屋で昼寝する気にもなれず(クソコックに後でうるさく言われるのは面倒だが)酒でも飲もうかと思った時だった。
ピシャァン!!!!
『-っ!』
大きな雷鳴がした直後に聞こえた小さな声。
…それは、気のせいか空耳かと思うくらい本当に小さな声だった。
けど、何故だかはっきりと聞こえた、ような気がする。
「…あいつか?」
何となく気になり、サクラが寝ている医務室へと向かう。
…怪我が開いたか?俺には包帯巻くくらいしか出来ねぇぞ。薬だってどれがなんなのかさっぱりだ。
「……まぁ、どうにかなるか。」
ノックや声かけ無しで扉を開ける…これするとナミがすげぇ怒るの忘れてた。
まぁナミじゃねぇから平気か、なんて一瞬の反省を終えた所で視界に飛び込んできたのは、布団の塊。
ワケがわかんねぇまま突っ立っていたら、布団の塊がもぞもぞと動いてサクラが顔を出した。
『…ゾロさん?どうかしましたか?』
「それは俺の台詞だ。」
布団に包まったまま、いつも通りの無表情で首を傾げるサクラに即座に突っ込んだ、その時。
ピシャァン!!!!
『っ!!』
再び大きな雷鳴がしたかと思った瞬間、サクラの身体が怯えたように跳ねた。
…こいつ、もしかして…
「…怖ぇのか?」
『…え…?』
「雷。」
尋ねればサクラは図星だと言わんばかりに目を見開き固まる。しかしすぐにいつもの無表情に戻り『大丈夫ですので、お気になさらず。』なんて言い出した。
…布団の塊になっといて、どこが『大丈夫』なんだよ…。
「…はぁ…」
『え…!?』