夢じゃない
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船に乗せてもらってから3日目の朝。
目を覚ましてホッとした。
…いまだに全て、夢なんじゃないかって思って…。
首に手を伸ばし、触れる。
この間まで私の命を握っていた首輪は呆気なく外された。
『…まだ、信じられない…。』
「…何がだ?」
『え?』
独り言に返ってきた返事。
慌てて声がした方を向けば、いつの間にか扉(壊れた当日にウソップさんが直してくれた)にもたれ掛かってゾロさんがいた。
『な、なんで…』
「…飯、だとよ。お前、今日から食堂で食って良いってチョッパーが。」
『?』
「クソコックは準備、ルフィだと怪我に響く運び方しか出来ない、ウソップは不寝番だったから寝てて、チョッパーはお前の薬作ってる。」
『はぁ…?』
「…お前を運べるのは俺だけだってナミ達が言うもんだからな。」
『!?』
そう言うやいなやゾロさんは私を横抱きして…って!!
『ゾ、ゾロさん…私、一人で歩けますよ?』
「一人で歩かせたら俺が怒られんだよ。いいから黙って運ばれてろ。」
『…あの、せめて肩に担いで下さい…この体勢は恥ずかしいです…!』
「っくく…ははは!!」
『……え?』
「肩に担がれたいって、普通自分で言うか?」
『!』
そう言ってゾロさんは、笑った…。
楽しそうな笑顔…初めて見たかもしれない…なんだか、すごく嬉しい…!
「?んだよ。」
『…ゾロさんの笑顔、初めて見たから…嬉しいなぁって…』
「はぁ!?」
『あれ?お顔が赤いですけど…』
「…うるせぇ。……天然か。タチ悪ぃなおい。」
『??』
赤く染まった顔で溜め息をついたゾロさんの言葉に疑問符を浮かべていたら、「なんでもねぇ」と言われた。
「それより、さっきのは?」
『え?』
「“まだ信じられない”ってやつ。」
『あ…えっと…その、この船に乗せてもらえてるのが夢なんじゃないか、っていまだに…信じられなくて。』
「…。」
『研究所から逃げ出せて、首輪も外れて…全部全部、私の都合の良い夢なんじゃないかって…。』
「はぁ…おら。」
『え?…っ!』
突然ゾロさんに、抱き抱えられたまま頬を抓られた。しかも結構強い力で。
「どうだ?」
『…ゾロさん、器用ですね。』
「馬鹿、違ぇよ。痛かったかって聞いてんだ。」
『?はい、痛かったです。』
「夢の中じゃ痛みは感じねぇ。…つまり、痛かったって事は現実っつー事だ。」
『!』
「まだ信じられねぇならもう一回してやろうか?」
『い、いえ…結構です…ゾロさんの力、強いんですもん…』
「っははは!!」
『…ふふ。』
至極楽しそうに笑うゾロさんの笑顔に、いつの間にか私も笑顔になっていた。
夢じゃない
(連れてきたぞ。)
(おはようサクラちゅわ~ん!!)
(お、おはようございます!)
(…あら、サクラ頬が赤いけどどうしたの?)
(?ゾロさんにつねられました。)
(((はぁ!?)))
(ま、待て!!誤解だ!!)