素敵なお医者様
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「ほら、これ飲め。」
チョッパー君から渡された薬を口に含む…と、気付いた。
『…苦く、無い…』
「あぁ、苦い薬は飲みづらいだろ?だからちょっと手を加えたんだ!」
その言葉に私は驚く。
研究所の人間はそんな配慮してくれなかったし、だから薬も苦かった。吐き出したい程苦い時もあったけど…それをしたら殴られるから我慢していた。
『…薬が美味しいって初めて思いました。』
「えぇ!?いや、美味く無いだろ!!」
『…チョッパー君は素敵なお医者様ですね。』
「え?」
『薬を飲む側の人間の事を考えて薬を作れたり、無理したら怒ったり…代わりに泣いてくれたり。優しくて、素敵なお医者様です。』
「そ…んな事言われても全然嬉しくなんかないんだからなコノヤロー!!」
そう言いながらもチョッパー君は嬉しそうに笑い、身体をくねくねさせていた。
…これはあれかな?照れてるのかな…。
『…と、そうだ…チョッパー君、血液検査って出来ますか?』
「?出来るぞ??」
『そしたら私の血、調べてくれませんか?…よくわからない薬たくさん飲まされていたので、どこか異常をきたしていないか。』
「…わかった。」
私の言葉に、チョッパー君は悲しそうな顔をしながら注射器を取り出す。そして私の袖をめくり、腕を見て眉間にシワを寄せた。
「…これ…」
『…血を抜かれたり、薬を打たれたりは日常茶飯事でしたから。』
…私の腕には無数の注射跡がある。それを見ると研究所を思いだし、心臓が痛くなった。
「っ大丈夫だぞ!!」
『…え?』
「注射跡はいつか消えるからな!!」
当人である私より泣きそうな顔で叫ぶチョッパー君…うん、彼は本当に良い医者だ。
『…気を使わせてごめんなさ……。』
「…こういう時は礼を言っときゃ良いんだよ。」
…不意に、ゾロさんの言葉が頭に響いた。
お礼……
『…心配してくれて、ありがとうございます。』
「!サクラ…」
『チョッパー君は、やっぱり素敵なお医者様です。』
そう言ってぎこちない手つきで彼の頭を撫でた。
素敵なお医者様
(…チョッパー君、撫で心地最高ですね。)
(え?)
(ふかふか…抱っこして良いですか?)
(き、傷が治ったらな!)