“所有物“で”兵器”
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…私は、山奥にある小さな村で産まれた。
「この子は“風と水の精霊”の加護を受けて産まれておる。」
私が産まれた日、村の祈祷師は両親にそう告げた。
…その証拠に、私は誰にも教えられていないのに風の精霊「シルフ」と水の精霊「ウンディーネ」の名前をいつの間にか口にし、風や水を操っていて…この力で誰かを傷付けた事は無いけれど。
…精霊達と話をする事は出来ないけど、なんとなくこの力で“誰か”を傷付けてはいけないと感じたから。
そして祈祷師にも言われた。
「風と水の精霊は心優しい精霊。その精霊の力を使って誰かを傷付けるような真似をしてはいけぬ。…そんな事をすれば、お主の身体に負担がかかり…壊れるぞ。」
静かに、しかし断定したその言い方に幼い私は怖くて泣きじゃくった記憶がある。
けれど元より誰かを傷付ける気なんて無かったから特に気にする事無く毎日を過ごしていた。
…私を見る周りの目はとても冷たかった……両親も、村の皆も私を“異端者”としてずっと接していたから。
“精霊の加護を受けている、神聖な存在”
…皆口ではそう言っていたけど、正直悪魔の実も無しに風や水を操るなんて気味が悪かったんだと思う。
どんな本を読んでもこんな例は無いし…。
友達もいなければ、家族との会話も無い…それでもなんとか毎日を生きていた。
…そう、あの日までは。