口下手少年。
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更に月日は流れ、私は14歳、サンジは15歳になった。
順調にお付き合いを続けている私達…だけど、不満な点もあって。
それは、サンジが告白してくれたあの日以降、好きだとか言ってくれないこと。
サンジの気持ちを疑っているワケではない。言葉は無いけど、抱き締めてくれたり、キ、キスもしてくれるし…。
でも、言葉が全てじゃないと分かっていても…欲しくなるのは仕方がないと思う。
サンジはますます格好良くなって、最近お客の女性に声をかけられる事も増えてきた。
客商売だし、それを無下に出来ない事も分かってる。
…だからこそ、言葉が欲しい。
サンジに声をかける人は皆大人で、美人で…対する私は自覚があるくらい子ども。
…本当は、サンジは大人な女性の方が良いんじゃないか、とか色々考え出して頭はパンク寸前。黒い感情が溢れそうで、どろどろしてなんだか気持ちが悪い。
要するに、自分に自信が無くて不安なのだ。
『…ね、サンジ。』
「んー?」
『その…えっと……っわ、私の事、どう思ってる⁉』
「はぁ?」
サンジの部屋で寛ぎ中、思い切って聞いてみた。
突然の質問に、サンジは溜め息をつきながら読んでいた本を閉じ、こちらを見る。
「…急にどうしたんだよ?」
『だ、だって、告白してくれた時以降まだ一度も好きって言ってくれてないじゃん‼』
「っんなの、言わなくても分かんだろ。」
『言葉が欲しい!』
「…………………お前だって、全然言ってくんねぇじゃん。」
『う"…じゃ、じゃあ、私が言ったら言ってくれる?』
「……努力はする。」
ドキドキとうるさい胸を押さえながら、サンジを見つめ、口を開いた。
『…す、好き…デス…。』
「………おぅ。」
『サ、サンジは?』
「…………………俺も、同じ。」
『えぇ⁉何それずるい‼』
「う、うるせぇ‼誰も"言う"なんて約束はしてねぇぞ‼努力した結果これなんだよ‼」
『わ、私はちゃんと言ったのに…⁉』
グイッ、と腕を引かれ、そのままサンジに抱き締められる。
「勘弁してくれ…慣れてねぇんだよ、こういうの。」
『…抱き締めたりキスしたりは出来るのに何で言葉で伝えてくれないのよ。』
「…改めて口にすんのがクソ恥ずかしいんだよ。」
『…いつか、言わなかった事後悔するんだから。』
「クレアがずっと一緒にいてくれんなら後悔しねぇと思うけど?」
からかうような言い方に、否定出来ない自分がいて悔しくて…でも許しちゃう私はきっとサンジに甘い。
『…サンジのバーカ。』
「…うるせぇ。」
とりあえずは、この腕の温もりが幸せだから今回は見逃してあげようかな。
口下手少年
(いつか言ってくれるかなぁ…。)
あとがき
少年サンジは口下手だと良いな、と言う管理人の妄想←