幼い恋
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…そのまま平和に1年が過ぎた。
私の恋心も変わらず…いや、日々大きくなってる気がする。
あの街の領主にバレたくなくて、ショーはずっとサンジの服を借りて男装して行っていたのだけど…成長するに従ってそれは難しくなっていって。
今まで借りていた服ではさらしを巻いても胸元がきつく、かと言って新しいサンジの服はサイズがブカブカで合わない。
…性別と、たった一歳の差でここまで差が出るとは正直思っていなかった。子どもの成長なめてたわ…。
『…サンジ、ずるい。』
「はぁ?」
『急に背が伸びて。もうサンジの服借りられないじゃん。』
「それ俺のせいかよ。」
『あーあ、私も男の子だったらなぁ…。』
「…は?」
何気なく呟いた言葉。
…私が男の子だったら、服に困る事は無かったし、そもそもあんな風に両親に売られる事もなかった。
あぁでも、そしたらサンジに会えなかったのかもしれない。それは嫌だなぁ…。
なんて、色々考えていたらフッ、と影が落ちてきた。
『…サ、ンジ?』
「…。」
見上げると凄く近くにサンジの顔があって驚く。
サンジの髪が月明かりを浴びて輝き…なんだか、作り物みたいに綺麗だ。
『ど、どうしたの?』
「…お前が男だったら俺が困るんだけど。」
『へ…⁉』
不意に、重ねられた唇。
それがキスだって事がわからないくらい子どもではなくて…けれど、突然の事に頭がついていかない。
『ん…サ、サンジ…⁉』
「…好きだ。」
『…え…?』
「っ俺は、初めて会った時からずっとクレアの事がクソ好きなんだよ‼」
『え…えぇぇえ⁉』
突然過ぎるキスに、突然過ぎる告白。
頭がついていけなさ過ぎてオーバーヒートしそう。
「だから男だったら良かったとか言うな‼」
『そ、んな、きゅ、急に…ちょ、待って、だって全然、そんな素振り無かった…!』
「…俺なりにアピールはしてたつもりなんだけど。なのにお前ときたら全然気付かねぇし、挙げ句の果てに"男だったら~"とか言い出すし。」
『え⁉う、嘘…‼』
「本当はもっとムードとかも考えたかったのに…アホクレア。」
『そ、そんな事言われても…と言うか、え?これ私が悪いの??』
「うるせぇ。」
『⁉』
グイッ、と引き寄せられ、気が付いたら私はサンジの腕の中。
くっついた胸から少し早い鼓動が聞こえてきて、やっとこれが現実なんだと認識した。
「…好きだ。」
『………う、うん…ありがとう…。』
「…お前は?」
『キ、キスとか抱き締められるのとかを拒んで無い時点で察して下さい…。』
「ヤダ。」
『えぇぇえ…』
「…クレアの口から、ちゃんと聞きたい。」
『⁉』
なぁ、といつもより色っぽい声で囁かれ、一気に顔に熱が集中する。
「…クレア。」
『~っ‼わ、わかった、から‼み、耳元で囁かない、で‼』
色々と恥ずかし過ぎて顔があげられない。
ぎゅっ、とサンジの服をつかんで、俯いたまま口を開いた。
『………すき。』
「…ん。」
チラリと見上げると、嬉しそうに笑うサンジの顔が目に入った。
その顔に、胸がキューッとなる。
そのまま再びゆっくりと彼の顔が近付いてきて、自然と目を閉じた。
重なる唇がすごく熱く感じて、でも幸せで…
この時間がずっと続けば良いのに、と願った。
幼い恋
(…なぁ、もっかいして良い?)
(し、心臓爆発しちゃう、から、無理…‼)
((…クソ可愛い…))
あとがき
幼いサンジは格好とかつけられない感じだと私が大変オイシイです。(笑)