小さなヒーロー
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『…ア、イス…?』
「おう!この間作り方教わって俺が作った試作品なんだ。」
ほら、と手を引かれるまま向かったのは船の屋根の上。
つくなりどこから出したのかアイスを目の前に差し出されたので、受け取った。
勧められ、一口食べると口の中一杯に甘さが広がり…思わず『美味しい…』と呟いていて…。
「俺さ、料理がクソ好きだよ。」
『?』
「まだまだ修行中だけど、いつか俺が作った飯でたくさんの人を笑顔にしたいんだ。」
『…。』
「…お前は?」
『え?』
「マジック。嫌いか?」
突然の問い掛けに、考える。
…考えなくても答えなんて分かりきってるんだけど。
『…好き。大好き。』
そう。例え悲しい記憶があったとしても、私はマジックが好きなのだ。
私のマジックで一人でも多くの人を笑顔にしたい。
「そっか。じゃあまずは自分が楽しまねぇとな。」
『私が?』
「…料理はさ、コックのその時の感情が味に出るんだ。お前は人が悲しみながらや苦痛に感じながら作った料理、食べたいと思うか?」
『!』
「…これ、コックにだけ言える事ってワケじゃねぇと思うけど。」
その言葉にハッとする。
…そうか…人を笑顔にしたいなら、まずは自分がマジックを楽しまなきゃいけないんだ…。
「つってもまぁ、そう簡単に切り替えて楽しめるんだったら苦労はいらねぇよな。」
『…。』
そんなことない、と即答出来ずに黙っていたら、頭にポン、と優しく手が乗せられ…そのまま撫でられる。
『きゃ、』
「辛くなったら俺に言えよ。話聞く位なら出来るし。身体に溜め込むのは良くないぜ?」
ニッ、と笑いながらそう言ってくれた彼に、“私は一人じゃないんだ”と思えた。
…その瞬間、スッと心が軽くなる。
『…っ、ありがとう!』
「!」
『?どうしたの??』
「あ、いや…はは、お前、笑ってた方が可愛いよ。」
『⁉』
「その笑顔、マジックしてる時にも出たらきっと更に人気急上昇だな!」
悪戯っぽく笑う彼を見て、彼の笑顔の方が素敵だと思った。
「…さて、そろそろ行くか。」
『あ、うん。本当にありがとう…えっと…』
「あぁ、そういやまだ名前言って無かったな。俺はサンジ。」
『…私は、クレア。』
「これからよろしくな、クレア!」
差し出された手を握り返せば、私の顔にはまた笑みが溢れた。
小さなヒーロー
(マジックの大切さも、本当の笑い方も…全部サンジが思い出させてくれた。)
あとがき
幼少サンジの性格や口調は完全に管理人の捏造です。サンジの過去話が反映される予定も今の所ありません…勉強不足で申し訳ありません(>_<)</font>