来世があるなら
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島の教会には、婚約者の関係者がたくさん集められていた。
周りの舐めるような視線の中、男の側まで行くと「綺麗だよ。」と嬉しそうに言われ…作り笑いで誤魔化す。
幼い頃、人並みに憧れていたウェディングドレスだが…全然嬉しくない。
「……新郎、貴方は彼女を健やかなる時も病める時も愛する事を誓いますか?」
「はい、誓います。」
式は滞りなく進み、とうとう誓いの言葉に。
…これで、 本当に全てが終わる。
「…新婦、貴女は彼を健やかなる時も病める時も愛する事を誓いますか?」
『…………は 「ちょーっと待った!」 …!?』
勢いよく教会の扉が開けられ、同時に聞こえてきた大きな声で私の返事は掻き消された。
「な、なんだ!?」
「ったく…今も昔も、俺じゃなくそんな男を選ぶなんて…見る目が無ぇにも程があるだろ、クレア。」
『…な、んで…』
開かれた扉の先にいたのは先程逃がしたはずのサンジで。
突然の事に周りが固まってしまっている中、彼はゆっくりと私に近付いてくる。
「お、お前はさっきの!?どういう事だクレア!!始末したはずじゃないのか!?」
「お姫様のピンチには王子様の登場が鉄板だろ?」
『っ馬鹿!!何で逃げなかったのよ!!』
「うるせぇな、お前をほっとけるわけねぇだろ。」
どんどん近付いてくるサンジに、明らかに怒気を纏い始めた男に…私の気は焦った。
…早くどうにかしなきゃ、サンジが…バラティエが…!!
『ほっとけないって…誰もそんなの頼んでない!!』
「…じゃあお前はこのままそいつの嫁になって、これから先の自由を諦めんのか?」
『…そ、そうよ。これは私が望んだ事なの!!』
「はぁー…ったく、本当素直じゃねぇな。せっかく助けに来てやったのに。」
『っ別に、助けてなんか欲しく無い!!』
そう叫ぶと、サンジの歩みが止まった。
…このまま彼が引き返してくれたら、婚約者に必死に謝って、愛を誓えばまだ間に合うはず…!!