誤魔化す
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仕事が終わり、自室へと戻る。
私の部屋は屋根裏部屋。
…当たり前だが暖房機具も無いこの部屋はとても寒く、明かりもランタン一つだから暗い。
住めば都と言うけれど…真冬の夜はどう頑張っても都にならなかったりする…。
『はぁ…寒い…』
手に息をかけてから窓を開け、近くの木へと手を伸ばす。
普通に外に出ようとすると、きっと誰かに見つかってしまうから。
“七武海のドンキホーテ様に呼ばれている”と言ったら、きっと私がドンキホーテ様に気に入られて幸せになるんじゃないかと疑う奥様に監禁されるだろう。
…いや、“きっと”じゃなくて確実に。
そうなって万が一ドンキホーテ様のお怒りを買った場合、下手したら町ごと消されかねない。なので窓からこっそり抜け出る事を選択したのだ。
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なんとか木から地面に降り、寒さに震える身体を擦りながら酒場へと向かう。
…夜は本当寒い。下手したら着く前に凍え死ぬんじゃないかと少し不安になった。
止まりそうになる足をなんとか動かし、23時10分前に酒場に着いた。
…死ななくて良かった。
カランカラン
「よォ。」
店に入ると、すでにドンキホーテ様がカウンター席に座っていた。
…昼間にいた方達がいないと言う事は、彼と二人っきり…!?き、緊張する…!!
『す、すみませんお待たせして…!!』
「フフフ、お疲れサン。」
まさかこんな私にまで労りの言葉をかけていただけるとは思ってなくて少し驚いた。
『も、勿体ないお言葉ありがとうございます!』
「まァそんなに固くなるなよ。」
『すぐお酒作りますね、何が良いですか?』
「…とりあえず、ここに座れ。」
『??』
ドンキホーテ様が指差した場所は彼の隣の椅子で…首を傾げながらも私はおとなしくそこに座った。
するとゆっくりとドンキホーテ様の手が伸びてきて、その長い指が私の頬を撫でて…って!?
『ド、ドンキホーテ様!?』
「…冷てェ。」
『え…?』
「血の気も引いて真っ青な顔してンじゃねェか。ほら、しばらくこれ着てろ。」
『わ!』
バサ、と肩にかけられたのはドンキホーテ様が着ていたピンクのモフモフの上着で…目の前の彼は薄いシャツ一枚だ。