シンデレラの笑顔
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近況報告をしにドフィの船へとやってきた。
海軍では絶対的な信頼を得ているので、特に怪しまれる事もなく基地を抜け出せた…思っていたよりも簡単だな。
今回ドフィに報告する内容をまとめた資料を片手に歩いていると、華奢な後ろ姿が目に入る。
今まで見たことの無いその姿は、きっとドフィがえらく御執心な“シンデレラ”だろう。
「…すまない。」
『え?』
「俺はヴェルゴと言うのだが、ドフィはどこにいるだろうか?」
仕事の話で、と伝える前に彼女は綺麗に…まるで作り物のように微笑んだ。
『ヴェルゴ様、お話は伺っております。ドンキホーテ様は自室におりますので、どうぞこちらへ。』
そう言って歩き出す彼女の後に着いて歩く。
…その華奢な後ろ姿を見つめながら考えるのは、彼女の事。
仕事柄、色んな人間に出会ってきたが…こんな綺麗な“作り笑い”をする人間には出会った事がない。
俺やドフィと出会う人間は、大体笑顔の裏に恐怖なり媚なりが見えていた。
…いや、人間と言うのは何かしらの感情を持った表情をするものだと思っていたが…
彼女の笑顔は、一切の感情が見えない。
ただ“笑っている”だけだ。
「(…ドフィの話では大分表情が豊かになったとの事だが…)」
この姿を見ると、その言葉を疑わずにはいられない。
…考え込んでいたらいつの間にかドフィの部屋に着いていて、彼女は2、3回ノックすると、中にいるであろうドフィに声をかけた。
『ドンキホーテ様、ヴェルゴ様をお連れ致しました。』
「……。」
『…ドンキホーテ様?』
しかし中からの応答は無い。
彼女が首を傾げると同時に扉が開いた。
「……。」
『ド、ドンキホーテ様?』
中から出てきたドフィはえらくご機嫌ななめなようで。
仕事で腹が立つような事でもあったか?
『あ、あの…』
「…呼び方。」
『え?』
「…何で昔に戻ってンだよ。」
『それは…幹部の方の前ですし…』
「幹部だからこそ問題ねェだろ。」
『い、一応けじめと言いますか…』
ドフィの問い詰めにしどろもどろになる彼女。
ちゅ
『!?』
「仕方ねェからこれで許してやる。」
『も、もう!!ドフラミンゴさん!!』
「フフフ!」
ドフィが彼女にいきなりキスをした。
…イチャつくのは結構だが、俺の目の前は止めて欲しい。
隠そうともせず呆れて溜め息をつけば、やたらと上機嫌なドフィがようやく俺を視界に入れた。
「待たせたなヴェルゴ。」
「…あぁ、全くだ。」
「フッフッフッ!!そう怒るな。」
鼻唄を歌いながら歩き出したドフィの後を、再び小さく溜め息をつき着いていく。
……途中で何気なく振り返ると、目に入ったのは“シンデレラ”の笑顔。
唇を触りながら、恥ずかしそうにしながらも嬉しそうに笑っているその顔は紛れもなく彼女の本当の笑顔で。
「…なるほどな。」
「どうした?」
「いや、お前が彼女に御執心なワケが分かっただけだ。」
次に彼女と接する機会があれば、世間話でもしてみよう。
…俺にも、あの笑顔を向けてくれるだろうか?
シンデレラの笑顔
(そう言えばドフィ。)
(なンだ?)
(そろそろシンデレラの名前を教えてくれても良くないか?)
(……嫌だ。)
((独占欲の強い奴め。))
あとがき
ドフラミンゴさんは自分でもすんなり聞き出せ無かった名前を簡単にヴェルゴが知る事が面白くないとかだと可愛くて良い(笑)
でもこのあと夢主が『申し遅れました、私はカレンと申します。』とかあっさり自己紹介しちゃって静かにいじけてるドフラミンゴさん下さい(^q^)←