ありがとう
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
舌で唇をつつけば素直に口を開けるカレンに笑みが止まらない。
…そうなるように仕込ンだのは俺だが、恥じらいながら、頬を赤く染めながらも必死に俺のキスに応えようとするこいつが可愛くて堪らねェ。
そして、更に俺の機嫌を良くする出来事が起こった。
『…どふらみんごさぁん…』
「フフフ…」
俺の膝に乗り、甘えたようにすりよるカレン。
初めて酒を飲ンだらしいカレンはとても酒に弱く…少し飲ませただけでこンなンになっちまった。
『どふらみんごさん…』
「…カレン、ドフィって呼ンでみろ。」
『…どふぃ?』
「フフ!フフフ!!あァそうだ。今日は俺の事をドフィて呼べ。」
『わかりましたぁ!どふぃ!』
ふふ、と嬉しそうに笑いながら俺の首に腕を回すカレンの腰を抱き、密着する。
『わたし、どふぃにぎゅってしてもらうのだいすきです…』
「フッフッフッ!」
いつもより甘えてくるカレンに笑いが止まらない。
甘えてくる女なンてそれこそごまンといたが…惚れた女に甘えられるってのはこンなに嬉しいモンなのか。
それに、酔うと人間は建前なンてモンを使えなくなる。
これがカレンの本音かと思うと…フッフッフッ、本当に笑いが止まらない一日だぜ!
『どふぃ、どふぃ。』
「ン?」
『えっと、ありがとうございます。』
「?なにがだ??」
突然のお礼とその内容に首を傾げていると、ニッコリと“本当の笑顔”で笑いながらカレンは言葉を続けた。
『うまれてきてくれて、わたしとであってくれて、すきになってくれて、ありがとうございます!』
「!」
『どふぃのおかげで、わたしはいますっごくしあわせなのです!』
「…。」
『だから、ありがとうございます!どふぃがうまれてきてくれて、わたしすっごくうれしいです!』
『わたしもどふぃのしあわせなきもち、すこしでもふやせたらいいのになぁ』なんて呟くカレンの身体を少し乱暴に抱き締める。
『きゃっ…どふぃ?』
「…少しだけ、こうさせてくれ。」
自分でもわかるくらい情けねェ声色。
…不覚にも、泣きそうだったンだ。
天竜人を辞めさせられた時からある程度の力を付けるまで、本当に地獄のような日々だった。
…誕生日を盛大に祝われた事は数えきれねェ程あるが…こンな風に、まるで当たり前のように“生まれてきた事”を感謝された事なンて記憶にない。
『なんだかあまえんぼうさんですねぇ…』
「…こンな俺は嫌か?」
『わたしはどんなどふぃでもだいすきです!』
そう言いながら俺の頭に手を回し、優しく撫でるカレンに視界が滲む。
『よしよし、だいじょぶですよー。』
「フフ…大丈夫って、何がだ?」
『わたしは、なにがあってもどふぃのそばにいますから。』
「!」
『ずっと、ずーっといっしょです!どふぃがいやがっても、はなれてなんてあげません!』
あァ……どうしてこいつは俺の欲しい言葉がわかるンだろうな…。
「…カレン、」
『はい?』
「…っあり、がとう…。」
…言葉と共に零れた一筋の雫が、カレンの肩に小さな染みを作った。
ありがとう
(俺こそ、お前に出会えて良かった。)