優しい唇
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『……ん……』
ゆっくりと目を開ける。ぼやける視界で辺りを見回すと、そこはいつもの部屋で…って!!!
勢いよく身体を起こし、改めて辺りを見回す。
何回見てもそこは私がドフラミンゴさんと生活している部屋だった。
「起きたか?」
『え…!』
ドフラミンゴさんの声が聞こえ、そちらを振り向くと部屋についているお風呂場から出てきたばかりの……上半身裸で頭からタオルを被っている彼が目に入る。
見るのは、その…は、初めてでは無いけれどやっぱり恥ずかしくて慌てて目を逸らした。
「フフフ!どこも問題は無さそうだな。」
『問題?……あ……』
そこで再び思い出した。
…私、人身売買の商品にされそうになってたはず…。
思い出したら、今更恐怖で身体が震えてきた。
それを誤魔化すかのように口を開く。
『…ド、ドフラミンゴさんが、助けて下さったのですか?』
「まァな。…怖い思いさせて悪かった。」
『そ、そんな!私がとろいのが悪いんですよ!』
ありがとうございました、と“笑い”ながら言えばドフラミンゴさんは小さく溜め息をつき…タオルを放り投げた後、ゆっくりと私に近付き優しく抱き寄せた。
『ド…ドフラミンゴ、さん…?』
「…無理に笑うな。」
『え…』
「俺の前では泣いていい。その代わり泣くだけ泣いてすっきりしたら、“本当の笑顔で”笑っててくれ。」
『!』
ドフラミンゴさんの言葉に知らずに張っていた気が抜ける。それと同時に涙が込み上げ、視界が滲んだ。
『…っこわか、た…です…』
「あァ。」
『も、ドフラ…ミンゴさんに、あえな…じゃ…ないかって…!』
ぎゅっ、と彼に抱き着いて子どもの様に涙を流す。
ドフラミンゴさんはそんな私の頭を撫で、あやすかのように背中も撫でてくれた。
「…お前だけは必ず守る。」
『!』
「何があっても、だ。」
だから安心しろ、と抱き締める腕に力を込めたドフラミンゴさんに、私の瞳からはまた涙が溢れる。
零れた涙を唇で拭ってくれながら、ドフラミンゴさんはたくさんの愛の言葉を囁いて下さった。
ドフラミンゴさんの両手が私の頬に優しく添えられ、整った顔がゆっくりと近づいてくる。
私もゆっくりと瞳を閉じると、触れるだけのキスが降ってきた。
「愛してる。」
『愛してます。』
キスの合間に同時に同じ言葉を呟き、お互いに顔を見合わせて小さく笑う。
…いつの間にか、私の身体から恐怖心は消え去っていた。
優しい唇
(俺が優しいのはお前限定だけどな。)