手紙
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船に戻り、自室へと向かう。
…が、室内からは全く人の気配がしなかった
中に入ってみても、やはりカレンの姿はどこにも見当たらない。
風呂場も一応見たが使用された形跡すらねェ。
俺は帰宅途中カレンに追い付いてねェし、走って帰ったンならもう船にいなきゃおかしい。
「…拗ねたか怒ったかしてどっか寄り道してンのか?」
電伝虫で見張りのクルーに聞いてみると、カレンは俺に傘を届けに行ったっきりまだ戻ってきていないとの事。
小さく溜め息をつくと同時に、ソファー前のテーブルにやたらと可愛らしい紙袋が置いてあるのを見付けた。
何の気なしにそれに近づくと、その横には四角い紙…【ドフラミンゴさんへ】と言う文字から始まるそれは、カレンから俺への手紙で。
先に紙袋を開けてみると、中から出てきたのは手触りの良いピンクのマフラー…手編み、か?
手編みのマフラーなンてもらった事がねェから、無意識に口角が上がって行く。
…なンか俺に隠してると思ったらこれだったのか…フッフッフッ、本当にあいつは可愛い事しかしねェなァ!
次に手紙へと目を移す。
そこには俺への感謝の気持ちや、マフラーが必要無いなら自分が使うから気にするなと言った内容が書いてあって…フフフ!使うに決まってンだろ!
緩む口元をそのままに、手紙を読み進める。
【ドフラミンゴさんのおかげで、私は自分が存在していても良いんだと思えるようになりました。】
「…!」
…その一文を読んだ時、俺は馬鹿は自分だと気付いた。
たかがキス?
…不倫の末に産まれたカレンの今までの人生を知ってりゃ、そンな言葉出るはずねェのに。
あいつの事をきちンと理解してやれていれば、カレンの『代わりなんていくらでもいる』と言うあの言葉に腹を立てたりしねェはずなのに。
誰かに愛される事に慣れていないカレンを思ったら、金があるからどうこうなンて躊躇わずにあの女との縁なンてさっさと切れたはずなのに。
俺ばっかり好きみてェだ?カレンは言葉にこそしねェけどいつも俺の事を想ってくれてたはずなのに。
…あの“笑顔”が、嫌われないようにするための自己防衛的な笑顔だって、知ってたはずなのに…!!
「…っくそ!!」
手紙の最後の一文を読んだ瞬間、俺は部屋を飛び出していた。
手紙
(【直接は恥ずかしくてお伝え出来ませんが、私もドフラミンゴさんの事が大好きです。】)