可愛いわがまま
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『ドフラミンゴさん、お時間ですよー。』
…昨日同様、優しい声色と温かい手で心地好い目覚めを迎える。
3時間くらいしか眠れてねェのに、カレンに起こされると不思議と疲れを感じねェ。
『おはようございます。』
「あァ…おはよう。」
“おはよう”なンて挨拶をきちンと返した事、こいつに出会うまでは無かったかもしれない。少なくとも俺の記憶にはねェな。
『き、昨日はすみませんでした!!ベッドまで運んでいただいちゃって…そ、それと、コート勝手に抱きしめてしまって…』
「フフフ、気にすンな。可愛いかったぜ?」
腕を引き耳元で囁けば、頬を赤く染めた。
もう一度「気にすンな」と言って頭を撫でてやると、カレンは少しホッとしたような顔になった。
『今朝は何飲まれますか?もしお疲れでしたら甘い物が良いと聞くので、ココアなんかどうでしょう?』
「フフ…じゃあココアくれ。」
『はい!』
嬉しそうにキッチンへ向かうカレンの背を見ながら、口元には笑みが浮かぶ。
…俺の身体を心配してココアを勧めるあいつが本当に愛しい。
フフフ…心配されンのも良いモンだなァ…。
『はいどうぞ!』
「おう。」
『お帰りは何時頃になりますか?』
「今日は早く帰って来れそうだ…つっても、夜にはなるがな。8時くらいじゃねェか?」
『お早いですね!』
「……。」
『え?…きゃ、』
帰宅時間を教えた途端、花が咲いたような笑顔になったカレンを思わず抱きしめた。
『ド、ドド、ドフラミンゴさん!?』
「フッフッフッ…お前は本当に可愛いなァ!」
可愛い、と言えば瞬時に真っ赤に染まる頬にキスを一つ落とす…あー仕事行きたくねェ。
なンて、ぼやいてもどうにもなンねェけど。
「…そうだ、何か欲しいモンねェか?」
『え?』
「好きなモン土産に買ってきてやるよ。」
昨日は予想以上に取り引きが長引き、帰宅する頃には店は全て閉まっていた。
今日は多分買い物する余裕くらいはある…サプライズも悪くねェが、今回は欲しいモンを買ってやろう。昨日の可愛い寝顔と行動の礼と、一人で寝させちまった詫びだ。
…そう思っていた俺に対し、カレンは予想外の言葉を口にした。
『何も…いらないです。』
「…あァ?」
『何も買って来てくださらなくて大丈夫です。』
「遠慮してンのか?なら-…」
『ち、違います!…その、何かプレゼントしてくださろうとするお気持ちは嬉しいのですが…』
そこまで言ってカレンは一旦口を閉じる。
落ち着か無さ気に視線をさ迷わせた後、ギュッと目を閉じて小さな声で呟いた。
『私、は何かいただくよりも…ド、ドフラミンゴさんが、側にいて下さる事の方が、嬉しい、です…。』
「!!」
『…ですから、その…ひ、一つわがままを申してもよろしいのなら…お仕事が終わりましたら、早く…帰ってき…ひゃ!?』
カレンが言い終わるより先に、その華奢な身体を強く、しかし腕の痣に響かないように優しく抱きしめる。
…こいつは何でこう、俺の心をわしづかみにするのが上手ェんだ…!