喜ばせたい
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…寝起き特有の意識の浮遊感を感じていたら、心地の好い声が聞こえてきた。
『…ドフラミンゴさん。』
「……。」
『ドフラミンゴさん、お時間ですよ。』
「……ん……」
優しく身体を揺する温もりと、ちょっと困ったような声をもう少し楽しんでいたくてわざと寝たふりを続ける。
『ド、ドフラミンゴさーん?』
「…。」
『…どうしよう…!』
声色が泣き出しそうな物に変わり…本当に表情豊かになったなと小さく笑ってからゆっくり身体を起こした。
『!お、おはようございます!!』
「…フフフ…あァ、おはよう。」
『…!!!』
ちゅ、とわざと音を立ててカレンに口づける。
一瞬で真っ赤に染まったカレンの顔が可愛くて、その頬にもまた口づけた。
『な、な、な…!!』
「…おはようのキスだ。」
『~っコ、コーヒーいれてきます!!』
キスくらいであンだけ慌てるとは…フフフ…本当可愛い女だな。
「…フッフッフッ…」
『わ、笑わないで下さい!』
「おっと、聞こえてたか。」
『もう!』
耳まで真っ赤なカレンに緩む口元をそのままにソファへと向かえば、一冊の本が置いてあった。
「…本、読んでたのか?」
『あ、申し訳ございません!勝手に…』
「構わねェよ。」
なんとなく手に取り、パラパラとページをめくる。
『ドフラミンゴさんはたくさんの本を持ってますよね。どれを読もうか迷っちゃいました!』
「フフ…好きなだけ読め。」
『ありがとうございます!』
作り笑いじゃなく、本当に嬉しそうにカレンが笑った。…あァ、やっぱりその笑顔もっと見てェな。
「…明日、仕事である島に停泊する。」
『?そうなんですか。』
「小遣いやるから本でもなんでも好きなモン買ってこいよ。」
『…え?』
「フフフ!俺は仕事で構ってやれねェからな。」
仕事じゃなけりゃ一緒に町を歩けたのに、なンて女々しい考えが浮かんで内心笑った。
…一緒に町を歩いて、カレンが好きなモンを知って…あー明日の仕事キャンセルしてェ。
『そ、そんな!お小遣いなんていただけませんよ!』
「じゃあ“世話係の仕事”の賃金だと思えば良い。」
『だって昨日働きだしたばかりなのに…!』
「俺が良いって言えば良いンだよ。異論は聞かねェ。」
そう言い切れば、かなり申し訳なさそうな様子でカレンは『…ありがとうございます』と呟いた。
フフフ…仕事が終わったら俺もカレンに土産買って帰るかな。
喜ばせたい
(…こンなん柄じゃねェ…けど、悪かねェな。)