お世話係
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俺がデスクに座っても、カレンは変わらずその場に立っていた。しかも何か悩ンでるみてェだ。
「…どうした?」
『あ…いえ、その…寛ぐってどうすれば良いのかなぁと…』
「は?」
『…屋敷では暇をいただいた事ありませんのでわからなくて…す、すみません!』
その言葉と、下げられた頭に思わず固まる。
…普段滅多に言わねェが…寛げ、と言って謝られたのは初めてだ。
『あ、あの…ですから何かお仕事をいただけると嬉しいのですが…』
「……コーヒー、入れてくれるか。」
『っはい!!』
部屋に備え付けてある簡易キッチンを指差して言えば、嬉々とした様子でコーヒーをいれだすカレン。
…今日、と言うかつい数時間前に殺されそうになった事なンて無かったかのように働くその姿に、柄にも無く苦笑いを浮かべた。
…こりゃ、いわゆる“普通の女”の生活に戻してやるには骨が折れそうだ。立派な仕事中毒じゃねェか。
………いや、良い方法があるな。
程なくして運ばれたコーヒーを口に含み、その美味さに自分の“方法”が間違い無いと、口角が上がる。
「美味ェな。」
『あ、ありがとうございます!』
「…なァ、仕事…欲しいンだよな?」
『!はいっ!!』
「じゃあ、今日からお前の仕事は俺の世話係だ。」
『世話係?』
「あァ。つっても、今みたいにコーヒーいれたり、夜に酒作ってくれりゃ良い。後は朝、起こしてくれ。空いてる時間のお前の仕事は“好きな事をする”だ。」
これが俺の考えた“良い方法”。
丸々暇を与えた所でこいつは戸惑う。だから、少量の仕事を与えた上で空いてる時間は好きに使わせる。
…変な言い方だが、これで寛ぐ事に慣れさせていきゃ良い。
「わかったか?」
『はい、わかりました!…お世話係、かぁ…えへへ。』
少しくすぐったそうに笑ったカレンに、胸が高鳴る。
…本当は船の雑用を手伝わせても良かった。
けど、そうするとカレンの事だ。きっと全て完璧に熟そうとする。
そンな事になったら俺がカレンを独占出来る時間が減るからなァ…。
「フッフッフッ…ガキか、俺は。」
『え?』
「…何でもねェよ。」
首を傾げるカレンの頭を一撫でしてから、俺はまたコーヒーに口をつけた。
お世話係
(酒だけじゃなくコーヒーも美味ェとは…フフフ、今度メシでも作らせてみるか。)
あとがき
「お世話係」とかローさん長編と被ってますが気にしないでいただけると助かります
\(^O^)/
…ワンパターンですみません