愛してる。
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サク、サク、サク…
雪道に響くのは、一人分の足音。
『あの…ドンキホーテ様?』
「ん?」
『私、一人で歩けますけど…』
屋敷から出ても尚ドンキホーテ様は私を横抱きしたまま歩き続ける。ちなみにいつの間にか彼の部下の人が私の部屋から持ってきてくれた薄いピンクのコートを着ているので寒くは無い。
「フフフ!良いから運ばれてろ。」
『…本当に、良いんですか?』
「あ?」
『私みたいな何の取り柄も無い普通の女が、ドンキホーテ様のお側に居て…。』
元々自分に自信等全く無い私はいまだに不安だったりする。
俯いていたら、ドンキホーテ様が私を横抱きから小さい子を抱っこするかのような縦抱きへと抱き方を変えた。
先程よりも近くなった顔の距離に、心臓がドキリと跳ねる。
それに加えドンキホーテ様は私と額と額をくっつけた。
いつもはよく見えないサングラス越しの瞳が、うっすらと見えて私の心臓は爆発寸前。
『ド、ンキホーテ様…?』
「お前は自分に自信が無さ過ぎだな。」
『え…?』
「フフフ…カレンはこの俺を惚れさせたンだぜ?もっと自信持て。」
『惚れ…っ!?』
カァァァと顔が熱くなる。
ゆっくりと額を離したドンキホーテ様はそんな私を見て至極楽しそうに笑った。
「フッフッフッ!そういやァまだ言ってなかったな。」
『な、何をですか?』
じっ、と見つめられ息が止まりそう。
けど、ドンキホーテ様から視線を逸らせない。
「…愛してるぜ、カレン。」
…その一言が嬉し過ぎて、私の瞳からは涙が溢れる。
なんとか止めようと頑張るけど、一向に止まる気配が無い。
「フフフ…カレンは泣き虫なンだな?」
『う、嬉し泣きなんて、ドンキホーテ様の、前でしかしたことありません…』
「フフ!フフフ!!嬉しい事言ってくれるじゃねェか!」
あやすように背中を撫でられ、その大きな手の温もりが幸せ過ぎてどうして良いのかわからない。
「よしよし。フフフ…もっと泣かせても良いか?」
『ふぇ?…!』
私の頬を伝う涙を唇で掬いながら、ドンキホーテ様は優しく呟いた。
「…お前にだけは一生飽きねェ自信がある。」
『え…』
「フフフ…世間じゃ“悪のカリスマ”なンて呼ばれてるが…お前は何よりも大切にしてやるからな。」
『…っ!』
あまりに嬉しくて、ドンキホーテ様の首に腕を回して抱き着く。
「おっと!フフフ、積極的じゃねェか。」
『…ドンキホーテ様っ…わた、しも…愛してますっ…!!』
「…あァ。」
とても優しく返事をしてくれたドンキホーテ様が、ゆっくりと私の身体を離す。
…目が合い、小さく微笑んだ彼の顔が近付いてくる。
瞳を閉じれば、唇に触れる柔らかい熱。
その直後聞こえた、12時を知らせる鐘の音。
…産まれて初めてのキスは、とても幸せな物で…魔法が解けるのが怖くて中々目を開けられない私の耳に、特徴的だけど優しい笑い声が聞こえてきた。
愛してる
(それは、とても甘い束縛の言葉。)
あとがき
ここでドフラミンゴさん長編は一区切りになります!
これからは時系列バラバラで好き勝手にいちゃつかせようかと思ってます(笑)
これからもCinderellaを始め当サイトと管理人をよろしくお願いします!