オウジサマより
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驚き目を見開くカレンに近付き、立たせればその綺麗な瞳からぽろぽろと涙が溢れ出る。
よっぽど怖かったのかと思い、壊れ物を扱うかのように優しく抱きしめればカレンの口から出た言葉は予想していたものより嬉しい物だった。
『…わた、し…都合の、良い…夢でも、見て、るので、しょうか…?』
…その言葉はつまり、“俺に会えて嬉しい”って事だ。
夢じゃないことを伝えたら伝えたで何で俺がここにいるのか、とか色ンな感情がごちゃまぜになった顔で俺を見つめてきて…って、この俺がわざわざ攫いに来てやったっつーのに分かンねェのかよ…。
カレンの鈍さに内心溜め息をつきつつも、それすら魅力的に思える俺は相当こいつに溺れてる。
その華奢な身体を横抱きし、シンデレラを攫いに来た事を伝えた。
「オウジサマなんかに、渡してたまるかよ。」
…それは、うっかり出てしまったと言っても過言では無い本音。
どこにいるのか、顔も性格もわかんねェ“オウジサマ”なンかより俺の方がカレンを幸せにしてやれる。
だいたい、シンデレラがピンチの時に助けにも来れない奴が“オウジサマ”だなンて俺は認めねェ。
まァ…足掻く気は更々無ェけど、どう頑張ったって俺は悪名高い海賊だ。
だから、欲しいモンは全て力付くで奪い去る。それが出来る強さが俺にはある。
…けど、お前の心だけは力付くで手に入れたくは無ェ。
恐怖で縛り付けたって意味がねェ。
隣で笑っていて欲しいンだ。
…なンて言ってるが、カレンの気持ちはもう知ってる。だからこそ安心して攫いに来たンだからなァ…。
「フッフッフ!言っとくがお前に拒否権はねェからな!」
『…っいらない…拒否権なんて、いらないです…!!』
「フフ!フフフ!!」
予想していたとは言え、全力で拒否権をいらないと言うカレンに笑いが止まらない。
両想い、ってやつか…フフフ、悪かねェな…。
こんな人間らしい“愛情”を持ってたとは、俺自身すごく驚いている。
ギュッ、とカレンを抱く腕に力を込めると、泣きながらとても小さな声でカレンが呟いた。
『…望ん、でも…良いの、なら…もっと、ドンキホーテ様と、一緒に、いたい、です…!』
その一言に、外には出さねェが内心俺はノックアウト。
一体こいつはどれだけ可愛けりゃ気が済むんだ??
この俺に“愛しい”だなンて思わせた女、お前が初めてだぜ。
オウジサマなんかより俺にしとけ
(これからは毎日、飛び切り甘く愛を囁いてやるから覚悟しろよ?)