シンデレラ誘拐計画
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嬢ちゃんに触れたくなったからとりあえず手に触れてみる。
するともっと触れたくなって、気が付いたら抱き抱えて膝に乗せていた。
真っ赤な顔で慌てる姿を見て、笑いが込み上げる。…なんだ、こういう表情も出来るんじゃねェか。
熱いだのからかうなだの色々言ってくるのを適当に返しながらそのまま酒を飲んだ。
…小せェのは手だけじゃねェんだな。
小せェ上に細い身体…いや、これは細過ぎだろ。力加減を間違えたら折っちまいそうだ。
…多分、飯もロクなモン食ってねェんだろう。
『…ド、ドンキホーテ様…そろそろ降ろしていただけると…』
「却下。」
『えぇ!?』
「フフフ…嬢ちゃんは細ェなァ…。」
『…っ』
細さを確認するかのように二の腕を軽く掴んだ瞬間、綺麗な顔が一瞬歪んだ。
その直後『そんな事無いですよ』なんていつもの作り笑いを浮かべたが…
「…。」
『!?ドンキホーテ様な、何を!?』
焦る嬢ちゃんを無視して、メイド服の袖を捲くりあげる。
…そこにあったのは、無数の青アザ。
新しいのから古いのまでが、白い綺麗な肌を埋めていた。
「……。」
『あ…あはは!その、お恥ずかしい話ですが…私かなりドジなんでよくぶつけるんですよ!』
そう言って嬢ちゃんは笑った。
…いつもの笑顔、で。
「俺にそンな嘘が通用すると思うか?」
『う、嘘なんかじゃ…』
「…嬢ちゃん。」
『…どちらにしろ、これは私が悪いので………え?』
小刻みに震えるその身体を、青アザに響かないようになるべく優しく抱きしめた。
フフフ…まさか俺にそんな芸当が出来るなんてなァ…。
『ド、ド、ドンキホーテ様!?』
「ん?」
『あああああの、これは、一体…』
「…嬢ちゃんは我慢し過ぎだ。」
『え?』
「フフフ…たまには泣いても良いンじゃねェか?」
『!!』
驚いたように目を見開いて俺を見つめてきた嬢ちゃんは、ゆっくりと口を開き、震える声を紡いだ。
『…わた、し…私の、心は…だいぶ前に砕け散っていて、』
「?」
『きっと…もう…元には戻らない、と思って、いたのですが…何故でしょう…な、んだか、涙が…こぼれ、そうです…』
ギュッ、と自分の胸あたりを掴む嬢ちゃんの顔には“戸惑い”が見えていた。