誤魔化す
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『はいどうぞ。』
コトッ、と目の前に酒が置かれて思考を引き戻される。
それに手を伸ばし口をつける…やっぱり美味ェな。
『…あの、こういう事を本来は聞いてはいけないと理解しているのですが…ドンキホーテ様は何故この町に?』
「…あ?」
『あ、詳しくは話してくださらなくて結構です。ただ…その、お恥ずかしい話ではあるのですが…私、領主様に嫌われておりますので、もしお仕事でいらしたんなら私に構わない方がいいかと…』
そう言って嬢ちゃんは笑った。
…感情の見えない笑顔で。
「…ここには物質の補給で立ち寄っただけだ。」
『そうなんですね!』
「あァ。…ただ、嬢ちゃんの事が気に入ったからな。しばらく滞在する。」
『!そ、そんな勿体ないお言葉…ですが、先程も申した通り、私は領主様に嫌われておりますよ…?』
「フフフ…小さな島の領主ごときが俺に意見出来ると思うか?」
『…思わ無い、です…』
「俺が嬢ちゃんと話してェつってんだ。文句は言わせねェ。」
『…ドンキホーテ様はお優しいお方ですね。』
「そうかァ?」
『えぇ。』
そう言って嬢ちゃんは少し…本当に少しだけ嬉しそうに笑った。
「…。」
『…ドンキホーテ様?』
「…なんでもねェ。」
クイッと酒をあおる。
…一瞬高鳴った鼓動を隠すように。
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(もっとその笑顔が見てェだなんて…フフフ、俺らしくもねェ。)