勝ち負け
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
甲板から洗濯物を抱えて戻ってきたら、いつの間にか街からローが帰ってきていた。
…それだけじゃなく、私がベッドの上に放置していた雑誌をパラパラと捲っていらっしゃり……。
『…オカエリナサイ。』
「あぁ、ただいま。」
雑誌を捲る手を止めて私を見たローの顔は、それはそれは大層意地悪な顔をしていました。
『サテ、洗濯物ヲ畳モウカナ!』
「まぁ待て。…お前、俺をメロメロにしたかったのか?」
『ぅわぁぁぁあん雑誌放置した私の馬鹿っ!!!』
出来るなら10分前の自分にせめてベッドの下に隠すように言いたいよ!!
「…言ってみろよ。」
『…はぃ?』
「この“可愛いワガママ”ってやつ。」
ニヤニヤしながら雑誌を指差すローに、冷や汗が止まらない。
『そ、れは…ほら、可愛い子がやるから可愛いのであって…』
「いいからやってみろ。」
『暴君!!』
…何を言っても聞いてくれそうに無いローにめげず、5分程言い合いをしたがとうとう私が折れた。
『…気持ち悪くなっても知らないんだから。』
「なるワケねぇだろ。」
『……えっと……』
雑誌の内容を思い出しながら、おそるおそるローのシャツを掴む。
『…っどこにも、行っちゃ…ヤダ…。』
雑誌の通りに上目使いなんて出来なくて、真っ赤な顔をローに見られないように俯きながら呟いた。
…やばいなにこれすっごく恥ずかしい…!!!
「………。」
『…あの、何か言ってほしいな…?』
無言のローになんだか不安になって、チラリ彼の顔を盗み見れば珍しく見開かれた瞳と目が合った。
ひ、引かれたかな…?
『っわぁ!?』
グイッ、と強く腕を引かれ辿り着いた先はローの腕の中。
突然の包容にあわあわしていたら、頭上からいつもより低い声が聞こえてきた。
「…可愛い。」
『へぁ!?』
「予想以上の破壊力だった。」
まるで自身を落ち着かせるかのように息を吐いたロー。
そして私を抱き締めたままゆっくりと話し出した。