勝ち負け
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『…なんてこった…!!』
それはある日、シャチが「これで船長も更にメロメロ☆だぜ!」とか言いながら渡してきた雑誌(“これで彼も貴女にメロメロ☆特集”らしい)をなんとなく読んでいる時だった。
【常に良い子ちゃんでいちゃダメ!たまには可愛いわがまま言わないと、彼にとってアナタは“都合の良い女”になっちゃうし、彼に「つまらない女」って思われちゃうわよ☆】
【かと言ってただのわがままはダメ!逆に面倒な女だって思われちゃう!】
その文を読んだ瞬間、私はその場に項垂れる。
…別に、良い子でいようと思った事は無いし、わがままも言ってると思うけど…考えてみたらローに“可愛いわがまま”って言った事無い、気がする。
と言うか、
『…っ可愛いわがままってどんなのよ…!?』
そう。
ローが初恋で初めての恋人な私は当然恋愛事になんて慣れていなくて…つまり、この雑誌が推奨する“小悪魔で可愛い彼女”なんて物にどうやってなれば良いのかなんてさっぱりわからない。
…ローはそんな人じゃないって信じてるけど…このままじゃ、いつか私の事「つまらない」とか「面倒」とか思われちゃうかも…!?
『っや、やばい!どうしよう!!』
焦ってパラパラとページをめくると、【可愛いわがままがわからないアナタへ】と言うページを見つけた。
【ここでは特別に“可愛いわがまま”の例を教えちゃうよ☆
例えば、彼がアナタを置いてどこかに出掛けようとしたらまず彼のシャツの裾を掴むの。そして上目使いで「…行っちゃ、やだ。」って言いなさい!涙目だとよりベスト☆
きっと彼は堪らなくなってアナタを抱き締めてくれるはずよ☆】
あーなるほどね!これが可愛いわがままね!
………っていやいやこれ可愛い子限定だからぁぁぁぁあ!!!
『…洗濯物でも畳みながら一回落ち着こう。』
そう呟き、私は雑誌をそのままにして甲板に洗濯物を取りに向かった。