俺だけを
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
船に戻ると、ローは再び私を抱きしめた。
まるで拗ねた子どものようにギュッ、と力を込められて…ちょっと可愛いなぁ、なんて思ったり。
『…ロー?』
「で?」
『え?』
「…“俺に黙って”一人で船を降りた理由は?」
わざわざ“黙って”の部分を強調するかのように話すローは、やっぱり少し拗ねているのかもしれない。
…これはもう誤魔化せ無いし、黙ってたらローの機嫌が悪くなる事確実だ。
諦めて私はローから少し身体を離し、袋の中から先程買った物を出してローに見せた。
『…これ、買いに行きたかったの。』
「…毛糸?」
『編み物に必要な物、一通り。』
「編み物?」
そう、私が買ったのは編み物セット。ちなみにお金は以前ローが「念のため持っておけ。」って渡してきたお金から出しました。(“念のため”でなんであんな札束渡してきたのか未だに不明…金銭感覚が違い過ぎる…!!)
「なんで一人で買いに行ったんだよ?」
『…ローに、内緒にしたかったんだもん。』
「は?」
『っだから、ローに内緒でもふもふしたマフラー…作ろうと思ってて…』
「…俺に?」
ローから少し驚いた雰囲気が伝わってきた。
『日頃のお礼に…本当はサプライズプレゼントにしたかっ……!?』
言い終わる前に、再びローに強く抱きしめられる。
驚いていたら、耳元でローの声が聞こえてきた。
「ったく…お前、どうしてそう可愛い事ばかり思いつくんだ?」
『か、可愛…!?』
「その度にお前を更に好きになる…毎回これ以上なんてねぇだろうと思うのに、毎回その限界を簡単に超えさせられんだ。」
『…っ』
「…愛してる。」
ゆっくりと近付いてくるローの顔に、なんだかものすごく恥ずかしくなって俯きそうになるのを、両頬をローの綺麗な手が挟んで止める。
そして目と目を合わせ、ニヤリと笑った彼は最上級に色気のある声で囁いた。
お前も俺だけを見てろよ?
(…とっくの昔から貴方しか見えてませんけど!)