俺だけを
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『…ナンパ?え?』
「はぁ…これだから…ったく。」
自分がナンパされていた事に気付いていない桜の鈍さに溜め息をついた後、桜の向きを変えて正面から抱きしめた。
『ロ、ロー!?』
今いる場所は町中なので、当然他にも人間はいる。
大勢の前で抱きしめられた事に焦る桜を気にする事無く、腕に力を込めた。
「…こいつは俺の女だ、他をあたれ。」
「ひ…ひぃ!!すみませんでしたー!!!」
目の前の男だけじゃなく、この場にいる全員に言うかのように殺気を込めて言えば、ナンパ男だけじゃなくチラチラと桜を見ていた他の男達も足早にその場を去って行った。
『ロ、ロー、あの、離して?』
「却下。」
『えぇ!?』
「…なんで一人で船を降りた?」
『……そ、それは…』
惚気とか過大評価では無く、桜は一人で歩くと確実にナンパされる。
だから一人で出歩くなと常々言い聞かせていた。
腕の中で明らかに返答に困っている桜。涙が滲む瞳に仄かに赤く染まった頬で俺を見上げている。
「…とりあえず、船戻るぞ。」
『え?わぁ!』
身体を少し離し、桜の腕を掴んで船へと戻る。
…こいつのあんな顔、他の人間にあれ以上見せてたまるかよ。