とある平和な1日
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不寝番を除いて、船で一番の早起きは俺だった。…今までは。
朝6時。
『あ、おはようペンギン!』
「よ、おはよう。」
今では桜が一番最初に起きている。
キッチンで船長の朝飯の支度をしつつ、『ついでだから』とクルーの朝食分の下ごしらえもしてくれ、朝食当番の奴が起きて来る頃には後はもうパンに挟むだけ、とか炒める(焼く)だけ、なんて事はざらだ。
…ちなみにこれは船長には絶対に秘密。
いくら最後までやっていないとは言え、桜の手料理を自分以外の人間に食べさせたくないらしいからなあの人。
独占欲…って奴か?
船長、桜を溺愛してるからな。しかも本人無自覚だからタチが悪い。
『はい、どうぞ!』
「ありがとう。」
俺がキッチンに顔を出すと、何も言わなくても桜はコーヒーを出してくれる。
…うん、今日も美味い。
そのまま新聞を読みつつ、桜と何気ない会話をする時間が俺は結構気に入っている。
船長があんなに桜を溺愛するのもわかる気はするんだ。
…彼女の側はとても落ち着くから。
「あぁ!?くそ、今日はいつもより早く起きたのにまた桜が先にいる!!」
『おはようシャチ、朝から元気だね!』
「…コーヒー御馳走。ついでにシャチ、桜より早くキッチンにいたいならとりあえず後1時間は早起きしないと無理だぞ。」
起きてきた朝食番(今日はシャチ)と入れ違いに俺は食堂を出て朝食までの時間、部屋で仕事をこなす。
…シャチ、朝食番に行く前にまた俺の部屋に自分の仕事置いて行きやがったな。
今度5倍にして返してやろう。
朝8時。
クルーと桜はこの時間に朝食をとる。
ちなみに船長はまだ起きて来ない。
桜との生活で多少早起き出来るようにはなったが、基本夜型だからなあの人。
朝9時半。
クルーの朝食分の洗い物が終わった後、桜が船長を起こしに行く。
そして桜は船長が朝食を食べている間は隣でお茶を飲んでいる。
…クルーはこの時間までに必ず食堂を後にする、と言う暗黙のルールがある。何故なら…
『……。』
「…そんなに見んな。」
『!?あ、ごめん!!』
「…美味ぇよ。」
『…え?』
「いつも言ってんだろ。」
『えへへ、うん!』
嬉しそうに笑う桜の頭を優しく撫でる船長。
二人の間には甘い空気が漂い…
…ダメだ。これ以上いたら胸やけする。
二人が一緒にいると周りは空気とならざるを得ない。
桜は完全に船長しか目に入っていないが、船長は確実にわざとだ。
牽制の意を込めてイチャついてる…そんな事しなくても、誰も桜に手を出そうなんて考えないのに。
あんたの溺愛してる女に手を出すなんて自殺行為以外の何物でも無いからな。