裁縫
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「…何やってんだ?」
『あ、お帰りロー。』
「あぁ。で、何やってんだ?」
街の探索から帰ってくるなり、私の手元に興味を示すロー。
『何って…裁縫。』
「裁縫?」
『シャチに頼まれたの。』
なんでもペンギンと組み手してて、攻撃を避けた弾みにキャスケットがどこかに引っ掛けて破けてしまったらしい。
かなりお気に入りの帽子みたいで…「俺じゃ悪化させるだけだから、頼む!!」と頭を下げて来たのが今朝早く。
「だからあいつ今日帽子被ってなかったのか…。」
『うん。ローが寝てる時間に頼まれたから知らなかったんだね。』
くすくす笑いながら裁縫を再開させる。
…ベッドに腰掛けじっと私を…と言うか私の手元を見つめるローに、少しばかり緊張してきた…!
「…上手いじゃねぇか。」
『あ、ありがとう…でも見られるとやりづらいんだけど…』
「気にすんな。」
『気になる!』
何を言っても見るのを止めてくれなさそうなローにはぁ、と溜め息をつきながらも縫い物を続ける。
『…そういえば、ローって裁縫得意そうだよね。外科医だし。』
「まぁ、人体縫うのは得意だな。」
『人体て…繕い物とかは?』
「…やった事ねぇ。」
『うん、そんな気はしてた。』
縫い物するローなんて想像つかない。これでぬいぐるみ作るの得意ですー、なんて言われたら驚き過ぎて呼吸停止する自信がある。
「…お前、本当家事全般得意だな。」
『そう?』
「あぁ。良い嫁になりそうだ。」
『嫁!?…痛っ!!』
突然のローの発言に驚いてしまい、うっかり指を刺してしまった。
慌てて見るとそこにはぷっくりと血の玉が浮かんでいて…うぅ、地味に痛い…。
「はぁ…何してんだ。」
『ロ、ローが変な事言うから!』
「俺のせいかよ。…見せてみろ。」
ローは溜め息をつきながらベッドから立ち上がり、こちらへと移動してきた。
『大丈夫だよ、このくらい。』
「…血出てんじゃねぇか。」
私の言葉に、少し怒ったような、それでいて心配そうな顔をした彼。…ちょっと過保護な気もするけど、嬉しかったりもする。
『流血しているワケでも無いし、舐めとけば治るよ。』
「………………そうか。」
『?…え、ロ、ロー、さん??』
私の発言に対して妙な間を開けて返事をしたローは、私の目の前にしゃがんで血が出た手をとった。
『…ま、まさか…』
「舐めとけば治るんだろ?」
『そ、それは言葉のあやで……!!!』
言い終わると同時に、ローは私の指をくわえた。
『や、やめっ…ひゃっ!』
傷口付近を丁寧に舐められる。
ローの舌の感触に、傷口のピリッとした痛みに…身体の力が抜けていくのを感じた。
「…顔、真っ赤だな?」
『…っ』
無駄に色気のある声で囁かれ、私の心臓は破裂寸前。
『…ぬ、縫えないから、離れて…』
「…嫌だ。」
『は?』
「シャチの縫い物なんか後で良いだろ。」
『え、ちょ、待…~っ!!』
私の手から縫い物を取って机に置いた後、彼はギュッと抱きしめてきた。
…その結果、私の顔は更に赤くなる。
「っくく…耳まで真っ赤ですよ、お嬢さん?」
『う、うるしゃいっ!無駄にいろ、色っぽく、耳元で囁くにゃ!!』
「噛みまくってんじゃねぇか。」
はは、と珍しく声を上げて笑うローになんだかとても悔しくなる。
…でも、彼の腕の中は心地好いからもうしばらくこのままでいてあげようかな。
裁縫
(…帽子直してもらってるシャチに嫉妬したなんて、死んでも言わねぇからな。)
あとがき
王道?ネタ万歳\(^O^)/
最初は料理が得意なだけだったはずなのに、いつの間にか夢主の女子力がハンパなくなってきてる何故だ…←