10年後も今も
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一方、10年後のハートの船では…。
「「……船長?」」
「…あぁ。」
全く状況が理解出来ねぇ。
珍しく早く目が覚めて、着替えた途端急に光りに包まれ…気がついたら“ここ”にいた。
「はっはっは!!どうだ俺様の能力は!!死の外科医を10年前の奴と入れ替えてやった!!」
…どうやら今は戦闘中で、敵の悪魔の実の能力で俺は“10年後のハートの船”にいるらしい。
「はぁ……。」
「うわ、船長が若返ってる!!」
「…俺達より年下な船長とか…なんか変な感じだな。」
「うるせぇ。5分以内に雑魚を片付けろ、バラすぞ。」
「「今も昔も暴君は変わらないですね。」」
そう言った後、シャチやペンギンを含めた他のクルー達は雑魚の清掃に取り掛かる。
…さて、俺はこんな事しやがった元凶を潰しに行くか。
「ははは!!10年も若返ったら強さもその分元に戻る!!今のトラファルガー・ローなんて…!?」
高笑いしている男に一瞬で近付き、その首を掴んで力を込める。
「な、な…!?」
「あ?10年前だろうが後だろうが、俺がてめぇごときに負けるワケねぇだろ。」
「く、くそ!!離せ!!」
「…このまま殺されたくなかったら俺を元に戻せ。」
「は、嫌なこった。」
「そうか、それなら仕方ねぇ。」
「…へ?」
「……能力者が死ねば自然に解除されんだろ?」
「!?」
「あまり俺は気が長い方じゃねぇんだが…もう一度だけチャンスをやる。元に戻せ。」
「ひ、ひぃ!!………わ、わかった…」
睨みつけて言えば、先程までの勢いはどこえやら…あっさりと承諾した敵に盛大に溜め息をつく。
「ったく…10年後の俺め、こんな雑魚の攻撃受けやがって…」
近くのクルーに敵船長を縛り付けさせながら文句を言っていたら、ペンギンが声をかけてきた。
「船長ー、雑魚の掃除終わりましたー。」
「あぁ。」
「船長ー、桜連れて来ましたー。」
「…は?」
シャチの言葉に思わずそちらを見れば、そこにいたのは…
『…ロー?わ、本当だ若い!!』
「…桜…?」
俺が知ってる桜より幾分か落ち着いた雰囲気の彼女だった。
『ふふ、なんだか弟みたい!』
「あ?」
『凄んでも可愛い!』
「……。」
俺を子ども扱いする桜が面白くない。…いや、今は実際にこいつの方が年上なのか。
…それよりも…
「…お前はまだ俺の側にいてくれてんだな。」
『え?』
10年後も変わらず俺の側にいてくれている事に…柄にもなく、少し安心した。
こいつを手放す気なんて更々無いが…それでも実際に見れるとやっぱり、な。
『ロー?どうしたの?』
「いや…10年経ってもお前は変わらねぇなと思ってただけだ。」
『酷くない?多少は大人になったわよ?』
「………あぁ、そうだな。」
『きゃ!?』
グイッと桜の腕を引き、驚く彼女の頬にキスを一つ落としてそのまま耳元で囁いた。
「…10年前より、更に綺麗になった。」
『はぃ!?』
顔を真っ赤にして慌てる桜は“今”も10年後も変わらない。
そんな彼女に小さく笑いながら敵船長の元へと歩き、俺を元に戻させた。