10年後も今も
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ある日の朝、ローを起こしに部屋に戻ったらローが少し歳を取っていました。
『…ロー??』
「…あぁ。」
…なんでも、今のローは30代で…悪魔の実の能力者の攻撃を受けて、10年前(私達にとっては“今”)の自分と入れ替えられたらしい。
つまり、20代のローは10年後の世界に行ったらしい。
『そ、それって戻る…んですか?』
「まぁ…大丈夫だろ。多分“俺”がブチ切れて戻させる。」
やけに落ち着いているローとは対照的に、私は緊張してガチガチになってしまっている。
…30代のローは外見こそあまり変わっていないけど…何て言うか、雰囲気が全く知らない男の人みたいで…
「っくく…お前何固まってるんだ?」
『き、気にしないで…ください。』
「あ?何敬語使ってんだよ。」
『だ、だって知らない人みたいで…!!』
何故か私の腰を引いて抱き寄せるローさん(と呼ぶ事にした)にかなり焦る。
『は、離し…!!』
「…今の俺とお前は10歳以上違うのか…」
『へ?』
「まぁ、10年後も今もお前は変わらないけどな。」
『…それはそれで微妙に複雑なんですけど。』
でも、実はかなり嬉しかったりする。だって、10年後も一緒に居られてるって事でしょ?
…けど!!今の私にはローさんは刺激が強すぎる!!
なんなんだこの人の溢れ出す大人の色気は!?
『~っもう!離してくださいってば!!』
「なんで?」
『な、なんでって…貴方自分の殺人的な色気を自覚してください!!』
「ぶはっ!!」
私が怒った瞬間、何故か吹き出したローさん。…うん、殴りたくなった私は悪く無いと思う。
「あー…やっぱりお前は変わんねぇな。」
『すみませんね、変化の無い女で!』
「拗ねんなよ。…っと、そろそろ時間か。」
そう呟いたローさんの身体が少しずつ透けていく。
『ローさん!?』
「心配すんな、元に戻るだけだ。“俺”が敵をどうにかしたんだろ。」
ニヤリ、と不敵な笑みを浮かべるローさんは今のローと変わらなくて…ちょっと寂しくなった。
『っくく…んな顔すんなよ、すぐに“今の俺”が戻ってくる。』
「…はい。お元気で…って言うのも変ですけど……っきゃあ!?」
笑って返事をした瞬間、ローさんに腕を引かれた。
そしてそのまま頬にキスされる。
『な…ななな!?』
頬を押さえたまま固まる私を余所に、ローさんは消える直前耳元で囁いた。
「…10年後も変わらず愛してやるから覚悟しとけよ、オヒメサマ?」
…残されたのは、真っ赤になって頬を押さえる私だけだった…。