悪くない
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…わかった。』
そう答えた桜はニッコリと笑っていて…笑顔なのに何故か笑っていないように感じる。
「…桜?」
『敵は何人くらい?』
「え!?ざ、ざっと50人くらいかな…」
『そう…50人…うん、多分頑張れば大丈夫。』
「桜、何する気だ?」
問い掛けると、笑顔のまま俺の方を振り返った彼女………いや、違う…これは、
『なにって…ペンギンの代わりに私が敵を全部吹き飛ばしてくるつもりだけど?』
…これは、キレてるんだ…!!!
「ば、馬鹿お前、また倒れるぞ!?」
『だって、そうでもしなきゃペンギン休んでくれないじゃない。』
「ダ、ダダ、ダメだって!!桜を戦闘に参加させたら俺達が船長にバラされちまう!!」
『だって、そうでもしなきゃ貴方もペンギンを休ませてくれないでしょ?』
何を言ってもニッコリと笑って返す桜に恐怖すら覚えた。
「…っくく…はは!!」
…と、それまで腕を組んで俺達を見ていた船長が突然笑い出す。
そして俺の頭を掴んで再びベッドへと横にさせた。
「わ!?」
「っくく…お前の負けだペンギン。今日は一日休め。」
「…え?」
「桜はこう見えて頑固だからな、諦めろ。…戦闘は俺が行ってやる。」
「船長が!?」
「ほら、さっさと行くぞ。」
めんどくさそうに歩き出した船長の後ろを、慌ててクルーが追い掛ける。
『行ってらっしゃい、気をつけてね!』
…それを見送る桜…あぁなんだか負けた気分だ。
『さてペンギン、元気になるまで仕事しちゃダメだからね!』
「…………はぁ……桜には敵わないな。」
『ふっふっふ…拙者に勝つには100万年早いわ!』
「はは、誰だよそれ。」
謎のキャラクターになる桜に笑い返しながら、ふぅ、と一息ついた。
…仕方ない、今日は諦めて一日ゆっくりさせてもらおう。
「…少し、寝させてもらう。」
『よしよし。おやすみ、ペンギン。』
満足そうに笑った後、静かに部屋を出て行った桜。多分自分がいたらゆっくり出来ないと思ったんだろう。
…本当、よく気が付くよな…。
…にしても、あそこまで頑固だとは思わなかった。
そしてキレるとあぁなるのか、覚えておこう。
……あぁ、でも……
心配されるのも悪くない。
(…なにやってんだ、お前。)
(ローお帰り!怪我してない?)
(あ?あの程度の奴ら相手に怪我なんかするかよ。…で、お前は何調べてるんだ?)
(んー…疲れてても食べられて、尚且つ元気が出る料理ってなにかなぁって…)
(ペンギンのか。)
(うん!)
(…頑張り過ぎてお前が倒れんなよ。)
(ゔ…き、気をつけマス…)