温かくて暖かい。
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桜を抱えて自室まで戻り、異常が無い事を確認して安堵の溜め息をついたのも束の間。
…あれから数時間が経ち、夜になっても桜が目を覚ます気配は無い。
脈拍・呼吸共に特に異常は見られず、心音も異常無し…外傷もねぇ。つまり、気を失ってるだけのはずだ。
理由としては…恐らく力を使いすぎたとかそこら辺だろ。
俺を呼びに来たクルーの話じゃ大分力を使ってたみてぇだ。
…今まで全然使って無かったんだ、ただでさえ人並みの体力しかない上に滅多に使わない力を、いきなりフル稼働させてあんな事したら倒れるに決まってる。
“ただ気を失ってるだけだ”
…そうわかっているのに、どうも気持ちが落ち着かない。
あぁくそ、こんな事でイライラしたってしょうがねぇっつーのに。
…さっさと目ぇ覚ませ。そんでいつもみたいに困ったような笑顔で『心配かけてごめんなさい』って俺に謝れよ。
…早く、声聞かせろ。
「……………チッ。」
さっきから随分と女々しい事が頭に浮かぶ。こいつは死にはしねぇし、急に消えるなんて事もありえない…何も心配する必要なんてねぇのに。
こいつの事となると、どうも調子が狂う。
「……。」
そんな自分に小さく溜め息をつきつつ、桜の手を取り軽く握った。