ちっちゃくなっちゃった!
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「…さて、桜。そろそろ風呂に入ってきたらどうだ?」
食事を終え、シャチやベポと遊んでいた桜にペンギンが声をかけた。
『…おふろ?』
「あぁ。ほら、アヒルさんも買ってきてもらったぞ。」
そう言ってペンギンが見せたのは、先程桜の服を買いに行かせたクルーについでに買わせてきたらしい子どもが風呂で遊ぶ玩具。
…明日になったら元に戻るっつーのに、なにやってんだこいつ。
『わぁ!あひるさん!!』
…………まぁ、桜が喜んでるみてぇだから良いか。
ペンギンからアヒルの玩具を受け取った桜はそのまま俺の腕を掴んだ。
「?」
『ローおにいちゃん、いっしょにはいろ!!』
「………は?」
突然の発言に思わず固まる俺に対して、首を傾げるこいつに内心頭を抱える。
…大人の時はこんな事絶対言わねぇくせに。
『…ローおにいちゃん?』
「…船長、今の桜は子どもですよ。」
「んな事わかってる…が、これは一緒に入って良いのか?入ったら入ったで後々問題が起きそうなんだが。」
「でも、一人で入れるワケにはいかないですよ?」
「あ?」
「ウチの浴槽中々深いですから…溺れる確率が無いとも言い切れないですし。」
「……。」
「なんなら俺が入れても良いですよ?」
「……………。」
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『みて!あひるさんうごくの!』
「……はぁ……。」
あれから10分後。
俺はチビ桜と一緒に風呂に入っていた。
…ペンギンに上手い事言いくるめられたような気がしてならねぇが、あえてそこには気がつかないフリをする。
『えへへ、ローおにいちゃんとのおふろ、たのしー!』
「……そりゃ良かったな。」
『うん!いつもひとりではいってるから…。』
「…あ?」
突然呟かれた言葉に、俺の脚の間で遊ぶ桜を見遣ればその小さな肩が更に小さく見えた。
『…おとうさんもおかあさんも、わたしにさわるのいやがるから…だからわたし、なんでもひとりでできるんだよ!』
無理矢理笑顔を作ってこちらを見上げる桜に溜め息をついた。
…本当、ガキらしくねぇガキだな。
ぎゅっ
『え?』
「…俺は、お前に触るの好きだぞ。」
後ろから包み込むようにして抱きしめながらそう言えば、桜は驚いた様な顔をする。そして2、3回瞬きをした後、勢いよく俺に抱き着いてきた。
「…おい、」
『………。』
呼びかけに答えない代わりに、首に回された腕に力が込められる。
…少し震える肩に、時折聞こえるガキらしくない嗚咽に…こいつが泣いているんだとわかった。
…ったく、4歳のガキがこんな我慢したような泣き方するもんじゃねぇだろ、普通。