ちっちゃくなっちゃった!
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
難を逃れたクルーに桜の服を買いに行かせて着替えさせた後、食堂に全クルーを集めてシャチに事情を説明させた。
…本当は甲板でシャチをバラそうとしたが、ペンギンに「こんな小さい子の前でそんな事したら泣かれますよ」と止められたので、仕方なく我慢してやっている。桜が元に戻ったら覚悟しやがれ、シャチ。
『嶋村桜です!4さいです!よろしくおねがいします!』
そう言って笑う桜の笑顔に、クルー全員の顔が酷ぇくらい崩れる。
…デレデレしたこいつらなんか見たくねぇぞ、俺は。
『ローおにいちゃん。』
「あ?」
『わたし、きょうはここにおとまりするの?』
「…あぁ、そうだ。」
『ん、わかった!いいこにしてる!!』
そう言うなり桜は食堂のイスに座り、いつの間にか用意された紙とペンで静かに絵を描きだす。
…こいつ…。
「…この年頃の子どもにしては聞き分けが良すぎますね。」
ペンギンが俺にしか聞こえない声量で言ってきた。
そう、こいつは4歳のガキにしては聞き分けが良すぎる。
普通、こんくらいのガキがこんだけ知らない大人、しかも全員体格の良い男に囲まれたら泣いてもおかしく無い…が、こいつは両親を求める事すらしねぇ。
…詳しい時期は聞いて無かったが…多分この頃から虐待されてたんだろうな。
一つ溜め息をついてから俺は桜に近寄った。
「…桜。」
『なぁに?』
「何がしたい。」
『…え?』
俺の問い掛けに首を傾げるその姿には大人の時の面影が確かにあり、その事に内心笑いつつも言葉を続ける。
「お前がしたい遊び、言ってみろ。」
『…いいの?』
「あぁ。」
『っありがとう!!ローおにいちゃんだいすき!!』
肯定の返事をすれば文字通り花が咲くように笑った桜。その瞳は輝いている。…っつーか大好き、って…この時の桜は素直だな。
『じゃあね、じゃあね…んーと…かくれんぼしたい!!』
「わかった。…お前ら、そういう事だ。」
クルーに参加を促せば、全員何故かノリ気で…揃いも揃ってどんだけチビ桜を気に入ってんだ、と溜め息が零れた。