ちっちゃくなっちゃった!
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ユースタス屋と別れた後、俺達も船へと戻った。
…すると何やらシャチが甲板で他のクルーに菓子を勧めていた。
「マジで美味いから食ってみろよこのチョコ!!」
「いらねぇよ!!お前がその笑顔で勧めてくるもんなんてロクなもんじゃねぇに決まってる!!」
クルーの叫びに内心「確かに」と納得する。
…シャチがあの顔してる時は大抵何か企んでる時だ。
『あ、シャチそのチョコ美味しそう!一つちょうだい!』
「え、桜!?ちょ、待っ…!!」
俺が少し目を離した隙に桜がシャチの持っていたチョコを一粒食べた。
…シャチの慌てようからして、やっぱり何かあるな…
『んー、美味しい!』
「あ、あの、桜サン??な、なんとも無いデスか??」
何故か敬語でしどろもどろになるシャチに声をかけようとした直後、小さな爆発音が聞こえた。
ボンッ!!
慌ててそちらを見ると、そこにいたのは桜…ではなく、小さな子どもだった。
「……は?」
『あれれ?ここ、どこ?』
先程まで桜が着ていた服に埋もれていたのは、見たとこ4、5歳の子どもで…突然の事に全く思考が働かない。
『おにいちゃんたち、だぁれ?』
「すげぇ…本当に幼児化した…」
シャチの呟きに停止していた思考が動き出す。
ガッ!!
「…シャチ、どういう事だ?」
「せ、せせせ船長!!こ、これは、その…っ!!」
「簡潔に説明しろ。」
突然現れた子どもに一応見えないよう、シャチの首を掴み尋ねる。
…なんでも、先程町に行った時に薬売りから買ったあのチョコレートには、食べた人間を一時的に幼児化させる薬が入っていたらしい。
効果は薬売りの話によると12時間程。
…つまり、桜は明日の朝までこのままだと言う事だ。
「…てめぇ、またくだらねぇ物買ってきやがって…」
「す、すすすみません!!!まさか桜が食べるとは思わなくて…で、でも!!チビ桜めちゃくちゃ可愛くないですか!?」
シャチの言葉に、今だキョロキョロと辺りを見回す幼児化した桜を見遣る。
…まぁ、確かにこれは“美少女”の部類に入るな。
するとその時、不意に桜と目が合った。
『…はじめまして!』
「あ?」
『わたしは嶋村桜です!おにいちゃんのおなまえは??』
…どうやら身体だけでなく記憶も幼児化するらしい。
シャチの野郎は後でバラすとして、とりあえず俺はしゃがんで桜に目線の高さを合わせた。(それでも俺の方が高かったが。)
「…トラファルガー・ローだ。」
『…とらさんがおー?』
「………ロー、で良い。」
『ローおにいちゃん!』
何が嬉しいのかわからねぇが、嬉しそうに笑う桜につられて俺も小さく口元に笑みが浮かんだ。