嵐の予感
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『よろしくお願いします!』
そう言って笑いながら俺に手を差し出す目の前の女に少し戸惑った。
「…お前、俺が怖くねぇのか?」
あまりにも真っ直ぐな瞳で手を差し出す女に思わず尋ねる。
…自分で言うのもアレだが、俺は悪名高い賞金首だ。普通の人間なら目も合わせようとしねぇ。
『?キッドさんは怖い人なんですか??』
「は?」
『すみません、私こちらの世界…じゃなくて、世間に少し疎くて…』
少し俯いてそう呟くこいつを改めて観察してみる。
世間知らずっつー事は、良いとこのオジョウサマか?にしても…細ぇ身体。腕なんか掴んで少し力入れただけで簡単に折れそうだ。
顔付きはここら辺の人間と比べると少し違う…が、整った顔をしていると思う。
むしろ可愛……………
…って!!俺は何考えてんだ!!
『…キッドさん??』
「!お、おおおおう!!!」
桜に名を呼ばれ、普通の女に優しく名前を呼ばれるなんて言う滅多に無い出来事に情けねぇが吃ってしまった。
変な動揺がバレ無いように差し出されている手を掴む。
…小せぇ手。柔らけぇし。
こんな、いかにも“普通の女”と話した事すら久々過ぎてなんだか胸が妙な感じだ。
そんな事を考えつつも握っていた手を離せば、桜は律儀にキラーにも改めて挨拶をしていた。
「桜はここで何をしているんだ?」
『あ、その…人と一緒に来ていたんですが、はしゃぎすぎてはぐれてしまって…。』
「…ガキか。」
『ゔ…返す言葉もございません…。』
俯く桜を見て、不意に抱きしめたい衝動に駆られる。
…なんだ、この気持ち…会ったばかりの女だぞ?
…しかし、悩む前に俺の口は勝手に開いていた。
「…おい、お前俺と一緒に来い。」
『え?』
「!?キッド、何を言っている!」
「うるせぇ!!俺はこいつが欲しいんだよ!!」
『え…えぇ!?ちょ、ちょっと待って下さい!!な、なんで急に…』
「彼女は一般人だぞ!?」
「いくら世間知らずとは言え、この俺を見てビビらねぇんだ。一般人よりは度胸があるだろ。」
「しかし…!!」
俺の発言に食ってかかるキラーと言い合いをしていたら、意外な人間が登場して俺達の側から桜を引き離した。
「…てめぇ、勝手にいなくなったと思ったらなんでユースタス屋と仲良くなってんだよ…。」
『ロ、ロー!!』
「トラファルガー!?」
当たり前のように桜の腰に腕を回して引き寄せたその男…トラファルガーに無性に腹が立つ。
…っくそ、厄介な奴が出て来やがった…!!
嵐の予感
(トラファルガーの額には薄らと汗が滲んでいた上に珍しく少し息切れしていた。)
(…こいつが一人の女の事を必死に探してたっつーのか…?)
あとがき
キッドとキラーのキャラについては完全に管理人のイメージと妄想です。違和感があるかもしれませんがご容赦下さいませ…。