嵐の予感
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町についてから私はずっとはしゃぎっぱなし!
この間こっそり下船した町とはまた違う雰囲気で、目に映る物全てが輝いて見える。
「…おい、少し落ち着け。」
そう何度も声をかけてくるローに一応返事をするが、正直適当だった。
だって楽しいんだもん!!
ローは手を繋ぐようなタイプじゃないし、かと言ってご覧の通り私が彼の服や腕を掴んでいられる程落ち着いてもいられなかった。
…その結果、
『ねぇ、ロー…って、あれ?』
…見事にはぐれました。
『…やばい。』
頭に青筋を浮かべてブチ切れる彼の姿が容易に想像出来る。
…もう一度言うが、やばい。下手したらバラされる。
そして更にまずい事が、はしゃぎっぱなしだった私はここから船までの道を覚えていない。
『…はぁ…』
深く溜め息をついて、とりあえず人混みから離れた場所の壁にもたれかかる。
こういう時は多分無闇に動き回らないのが正解だ。
…最悪、風を使ってみよう。やった事無いけど“港まで追い風”とか言ってみれば戻れるかもしれない。
「…まさかハートの海賊団もこの町にいるとはな…」
「チッ、トラファルガーの顔なんざ見たくねぇぞ。」
すぐ横の路地裏から聞こえてきた知っている単語に思わずそちらを見遣れば、赤い髪の大きな人とマスクをつけた金髪の人が出て来た。
…私がいた世界では金髪はいたけど、あんなに綺麗な赤髪の人は少なくとも私の周りにはいなかった。
なので、つい見惚れてしまう。
「…おい女、なにジロジロと見てやがる。」
『!?』
気付かれるほど不躾に見つめてしまっていたのかと、恥ずかしさから思わず顔に熱が集中する。
『ご、ごめんなさい!その、綺麗だなぁって…』
「は?」
『髪の色、とても綺麗な赤色ですね。』
そう言って笑いかけると、彼は一瞬驚いたような顔をした後、頬を赤く染めた。
「…顔が赤いぞ。」
「う、うるせぇ!!」
『??』
「あー…その、あれだ。」
『どれですか?』
「…キッド、こういう時にはまず名前を尋ね「てめぇは少し黙ってろ!!!」」
マスクをつけた人にそう怒鳴った赤い髪の彼は、頭をガシガシと掻きながら私に向き合った。
「俺はキッドだ。ユースタス・キッド。…お前の名前は?」
『あ、私は嶋村桜と言います!』