お医者様の言う事
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熱を出してから3日が経ちました。
『…暇。』
体調も良くなってくるとただ寝ているだけに飽きてしまう。
…まぁ、足首はまだ治って無いからどちらにしろベッドからは出られないんだけど。
万が一出たら確実にローにバラされる。
うん、確実に。
トイレは流石に松葉杖で行かせてもらえるけど、それ以外はずっとベッドの上だ。
お風呂は熱が振り返すかもしれないからと入らせてもらえなくて、毎日濡れタオルで身体を拭いてるし、食事は部屋まで運んでもらっている。
ちらっと窓の外を見れば、そこから見えるのはどこまでも青い空と海に白い雲。
『外出たーい。』
今、この部屋にいるのは私一人。
ローは航海の事で話し合いに行っている。
…あれ?これってもしかしてチャンス??
ちょっとくらい良いよね…?ローが戻ってくる前に戻ってくれば良いし。
お日様の下で深呼吸したいし!!
…と、言うワケで…
ベッド横にある松葉杖を掴み、体重をかける。
そして扉へと手をかけた。
『いざ!!ポカポカお日様が気持ち良い甲板へ!』
なんて言いながら勢い良くドアを開ける。
待っててお日様!!
「……てめぇ…。」
『え゙。』
…なんと奇跡的なタイミングでしょう!勢い良く開けたドアの先には額に青筋を浮かべた我等が船長がおりました。
「医者の言う事を守らねぇとはいい度胸だ。」
『い、いや、これは、その、ト、トイレに…!!』
「…ほう?」
『…お日様が私を呼んでたんだもん…』
「太陽が人を呼ぶかよ。」
『よ、呼んでた!「甲板は気持ち良いからおいでー!」って私には聞こえた!!』
「……幻聴の薬はねぇぞ。」
『心が綺麗な人にしか聞こえないんですー。』
「可哀相に、頭までいかれたか。」
『ひ、酷い!!』
ムッとして言い返したら意地悪な笑みを浮かべるローが口を開いた。
「…行って良いぞ、甲板。」
『え?』
「少しだけならな。」
『ほ、本当!?』
「あぁ…ただ、一つ条件がある。」
『なになに!?……え?』
ふわり、と身体に訪れた浮遊感。
「掛かり付け医と一緒に出ろ。」
『か、掛かり付け医って…』
「もちろん俺だ。」
『…って事はつまり、』
「…っくく、このまま甲板まで運んでやるよ。」
『!!!!!』
お、お姫様抱っこされたまま移動!?
廊下で誰に会うかもわからないのに!?
『む…無理無理無理!!!恥ずかし過ぎる!!』
「あ?てめぇに拒否権はねぇよ。」
『は!?』
痛む足を庇いながらローの腕の中でジタバタ暴れていたら、突然突き付けられた私には拒否権が無いと言う謎の発言。
ローの顔を見れば、それはそれは悪ーい笑みを浮かべていて…
「…医者に逆らったらどうなるかよーく覚えとけ。」
…こんな凶悪な笑みを浮かべる人間が私の掛かり付け医だなんて…!!
お医者様の言う事は聞きましょう。
(さて、行くか。)
(ちょ、待っ…!!ぅわぁぁんごめんなさい私が悪かったから下ろしてぇぇ!!)
(却下。)