月夜の秘密
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…今まで言い寄ってくる女はこいつみたいに真っ直ぐぶつかってくる事は無かった。
少し甘えてみせて、俺にその気が無いと分かれば一夜限りの恋愛ゴッコを楽しむしたたかな女ばかりだったし、俺自身女なんてそんなもんだと思っていたが…。
俺に他の女の所へ行かれたくないだの嫌われたくないだの…。
(恐らく本人は無意識だが)全力で俺が好きなんだとぶつかってくる桜に、心臓をわしづかみされたような感覚を覚え…気が付いたら押し倒していた。
『…ロー…っ』
俺の下にいる桜の、潤んだ瞳。
赤く染まった頬。
少し震えた声。
その全てが俺の理性を崩していく。
「…桜。」
『…っ』
顔を近付けて名前を呼ぶと、身体をビクつかせた。
こいつを怖がらせている自分に内心溜め息をつきつつも、ここで我慢するなんて出来そうに無い。けど無理矢理ヤッて嫌われるのも勘弁だ。
さてどうするか。
…いっその事、風で俺を吹き飛ばさせるか…そうすりゃ流石に俺の理性も少しは戻るだろう。
「…あ?」
崩れた理性とは裏腹にやたらと冷静な頭で考えていたら、不意に背中に桜の腕が回された。
…まずい。回された腕の温かさや柔らかさに思考が全部持っていかれそうになる。
「っおい、」
『…あ、あの、ね…その…い、嫌じゃ、無いんだよ?』
「は?」
『………経験が、無いから…い、痛いって聞くし……怖いだけで…』
「…。」
『そ、それに…ローは経験豊富だろうし……今までの、女の人と比べられたら……悲しいなぁ、って…絶対私、その…へ、下手だし。』
「お前…」
『だ、だから!ローに、触られるのが…嫌な、ワケじゃない、からね…?』
恥ずかしさからか途切れ途切れな上に小声で話す桜だが、その内容は俺の冷静さを欠くには十分過ぎる内容だった。
“今すぐ襲え”と叫ぶ本能を抑え、俺は冷静を装い口を開く。
「…それはつまりこのまま抱いても良いって事か?」
『…こんな私、面倒じゃない、の?』
「…またお前は…つまんねぇ事聞くな。俺が一度でもお前の事面倒だと言ったか?」
『…言って、ない。』
「…どんなお前でも受け止めてやるから。いちいち不安になってんじゃねぇ、馬鹿。」
『…うん、ありがとう。』
「もう一度聞くが…抱いて良いのか?」
『え!?えっと、その、あの…こ、心の準備は出来たけど、覚悟がまだ出来てないと言うか、』
真っ赤な顔でしどろもどろになる桜だったが、急に意を決したように俺の首に腕を回してきた。
『あの、えーっと…こ、このままじゃ多分というか確実に覚悟出来ないので、も、もう無理矢理抱いてください!!』
「!?」
突然の桜の発言に思わず目を見開く。…こいつ、自分が何言ってるのかわかってんのか?
…いや、確実にわかってねぇな。絶対勢いで言った事だ。(固まる俺を余所に当の本人は『成せばなるだよね!』なんて少しズレた発言をしていやがる。)
けど、ここでそれを咎めて思い留ませるつもりなんて今の俺にはさらさら無い。
『あ、の…ロー…?』
「…はぁ…っくく、お前照れ屋なのか大胆なのかどっちだよ。」
『え?』
…せっかく、待ち焦がれた許可が降りたんだ。
「…もう止めらんねぇからな。」
今まで待ってた分、たっぷりと愛してやるよ。
…オヒメサマ?
月夜の秘密
(ちょ、た、タンマ!!やっぱりシャワー浴びてからが良い!!)
(却下…もうこれ以上待てねぇ。)