暴走勘違い
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バンッ!!
壊れるんじゃないかと言うくらい勢いよくドアを開けたロー(閉める時も同じ勢いで閉めていた。)
『きゃ、』
そしてそのままベッドへと投げられるようにして座らされる。
「…なんで出てきた。」
そう尋ねるローの顔も声も怒っていて…
『…ごめんなさい…』
謝りつつも、頭の中ではネガティブな事ばかり浮かぶ。
こんなに怒ってるのは、あの人と一緒にいる所を見られたくなかったから?
人攫いから助けてくれたのは同情?
「…おい、」
謝ったきり俯いて黙る私の顔を、ローが近づいて覗く。
…ふわり、と香ったのは私の知らない香水の香り。
瞬間的にローの首に腕を回す女の人が頭に浮かぶ。
『…っやだ!!』
咄嗟にローの身体を突き飛ばしてしまった。
「…。」
『…あ…ごめ…』
ローと目が合った瞬間、ポロッと涙が零れる。慌てて拭うけど、次から次へと溢れ出て止まらない。
「…はぁ…」
『っ!』
ローが溜め息をついた事で、私の中で何かの糸がプチンと切れた。
『……だ…』
「あ?」
『や、だ…やだっ…やだぁ!!』
わんわんと泣きじゃくりながらヤダヤダ言う私は子どみたいだ。
「…何が嫌なんだ。」
『ロ、ロー、から、知らない、香水っ…』
途切れ途切れになりながら伝えると、ローは「あぁ…」と小さく呟いた。
「他は?」
『…っローが、別の、女の人の、とこ、行っちゃうの…やだっ』
「…他は?」
『…ローに、嫌われるの…い、いらないって思われるの、怖い…っ』
そこまで言うと、ローは突然着ていたパーカーを脱ぎ、ごみ箱へと突っ込んだ。
『…ロ、ー?』
そして無言で私を抱きしめてきた。
…ローの上半身が裸だからいつもより熱が伝わってくる。
「…これでもう香水の匂いしねぇだろ。」
『…あ…』
確かにローの言う通り、彼がパーカーを脱いだ事により香水の匂いはしなくなった。
…だから脱いでくれたんだ…。
「あの女の事はお前の誤解だ。」
『ふぇ?』
「…まぁ、情報につられてすぐに振り払わなかった俺も悪ぃが…。」
…私を抱きしめたままローが一つ一つ説明してくれた。
町の治安は本当に悪かったと言う事。
ローが情報収集していた時にあの人が絡んできたと言う事。
…つまり、全て私の勘違いだったと言う事…。
『…ごめんなさい。本当にごめんなさい。』
「…ったく…ネガティブ馬鹿が。だいたい、俺がお前を手放すワケねぇだろ。」
『…ふふ…あのね、ロー。』
「あ?」
『…好き。』
「!?」
『えへへ…ローが他の人の所行っちゃわなくて、良かった。』
その事が本当に嬉しくて、ぎゅーっとローを抱きしめ返す。
…私、自分が思っていた以上にローの事が好きだったんだなぁ…。
「…他の女の所なんて行くかよ。」
『?』
ローの言葉に、彼の胸に埋めていた顔を上げた瞬間。優し過ぎるキスが唇に降ってきた。
「…俺が好きなのはお前だけだ。」
『へ!?い、今なんて…』
「……さぁな。」
『ちょ…んむ!』
キスの合間に聞こえた甘い言葉に思わず聞き返すが、再び降ってきたローの優しいキスに、私の口はもうそれ以上何も言えなくなってしまい…
…でも、このキスが全ての答えなのかもしれない。
暴走勘違い
(ロー、あのパーカー捨てちゃうの?)
(…どうせお前、見る度に思い出すだろ。そんなんでお前が笑わなくなるならいらねぇ。)
((…な、なんか今日のローはいつもより甘い…!!))