暴走勘違い
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船長室で本を読みつつ、はぁ、と深い溜め息をついた。
…やっぱり行きたかったなぁ、町…。
治安が悪いのは怖いけど…こちらの世界に来て初めての町に、クルー以外の人間。
どんな所なんだろう、と思いを馳せれば馳せる程行きたくなる。
…ちょっとだけなら良いかな…?
男装して、いざとなったら風で悪い人を吹き飛ばせば良い、よね?
クルーの皆程では無いけど…体力はある方だし、逃げ足にだって自信はある。
…でもローは「絶対来るな」って言ってたし…うーん…
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『う…わぁ!』
30分後。
私は好奇心に負け、町にいた。
で、でも男装バッチリだし!!帽子に眼鏡までつけてやったし!
初めて見るこちらの世界の町は活気に溢れていた。
治安だってそこまで悪そうじゃない。(路地裏には一応行かないように気をつけよう。)
残念ながら私はこちらの世界のお金を持っていないから買い物は出来ないけど、キラキラ輝いて見える町並みは見ているだけで楽しい!
これだけたくさん人がいれば、きっとロー達にも出会わないし早く帰ればバレない!
…はずだった。
『…うわ、』
しばらく町を堪能していたら、この大勢の人波の中で、奇跡的な確率で少し遠くにロー達を発見してしまった。
…綺麗な女性と話をしている…あの人、誰だろう…おかげで私には気づいていないようだけれど。
悲しいやらイライラするやら…なんだかよくわからない気持ちを抑えつつ、咄嗟に近くの店へと身体を隠す。
ここから様子を見て、ロー達がいなくなったらそろそろ船へ戻ろう。
…そう思った時だった。
『…え…?』
視線の先で、綺麗な女性がローの首に腕を回した。
ローは特に振り払ったり嫌がる事もせず、そのまま女性と話を続けていて…
目の前の光景が信じられなくて、思わず隠れるのも忘れてその場に立ち尽くす。
あの女性は誰?
何でそのままにしてるの?
…悔しいけどローは私より大人だし、モテるからあんな事慣れているのかもしれない。
でも私は…ローが知らない女の人に触られるの、嫌。
…けど、もしかしたらローはいつまで経っても“心の準備”が出来ない私にもう愛想が尽きているのかもしれない。
もしかして、これからあの女性と……だから私に「町に行くな」って言ったの…?
…私ハ、モウ…イラナクナッタ?