騙しただなんて
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海が気に入ったのか、あれからだいぶ時間が経ったが桜はいまだに海の中だ。
「桜まだ遊ぶのかー?ふやけるぞー?」
『だって楽しいんだもん!』
「俺はまだ遊べるよー!」
シャチの言葉に満面の笑みで返している彼女に、ベポが突進してきた。そのまま一緒に倒れて、水しぶきが上がる。
『…楽しい!!ベポ!もう一回』
…何故か今の遊び?を気に入ったらしい桜が走り出す前に、その華奢な腕を掴んだ。
「…桜。」
名前を呼べば不思議そうな顔でこちらを見てくる彼女だが、掴んだ腕はかなり冷えていて…このままだと風邪引くかもしれない。
『??』
「身体冷たくなってる、もう上がれ。」
『えーまだ平気だよ!』
「…いいのか?」
『何が?』
「…悪魔の実の能力者は何に嫌われる?」
『え?…海。』
「そう。能力者は海水に触れると体から力が抜ける…つまり、」
『つまり?』
そこまで言って、桜にしか聞こえない声で続きを話した。
「…海水に浸かりすぎると、船長に近寄れなくなるぞ。」
『!!!!』
その言葉を聞いた瞬間、桜の顔が一気に青ざめた。
『え、ど、どうしよう!海に浸かり過ぎたら人間の身体って海水成分取り込んじゃうの!?』
「さぁな…とりあえず、そのままじゃ確実に船長には近付けないな。」
『え!?』
「まぁ…今すぐシャワーを浴びて着替えれば大丈夫だと思うが。」
『……………シャワー浴びて来る。』
そう言い残し、すぐさま海から上がって走り去った桜を見て、思わず笑いが零れた。
…あいつ、自分じゃ気付いてないが相当船長の事好きだな。
「なんだぁ桜の奴?」
「ペンギン、何言ったの?」
「ん?ちょっとした冗談を真に取ったみたいだ。」
「冗談て…」
「さぁて、お前らも桜が風呂から出たら順番に入って仕事しろよ。」
「「えー」」
「……よーし、魚の餌になりたいやつはどいつだ?」
「「すんませんでしたぁぁぁぁ!!!!」」
……水着姿で一斉に土下座する海賊ってのも珍しい光景だな。
騙しただなんて人聞きが悪い
(俺はからかっただけだ。)
(ペンギン、それって屁理屈じゃ…)
(からかっただけだ。)
(…お前って意外と頑固だよな…)