繋がる想い
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『…嘘…』
信じられない、と言う表情で俺を見る桜に隠さず溜め息をついた。
…鈍感にも程があるだろ。
「…馬鹿みたいに純粋なお前相手にこんな嘘つくかよ。」
『だって、私なんか……』
「…それ止めろ。」
『え…?』
「お前は“なんか”じゃねぇ……少なくとも俺にとってはな。」
『!』
「どうせお前の事だ、一人で勝手に悩んで迷ってんだろ?聞いてやるから言え。」
そう言うと桜は少し迷った後、ゆっくりと口を開いた。
『……ローは、たくさんの船員さんを抱える船長さんで…大きな夢の為に頑張ってて…』
「…それで?」
『…だから、きっと…恋愛事なんて邪魔に感じるだろうな、って…』
「…そうだな。」
『やっぱり…「でも」…?』
今にも泣きそうな桜の後頭部に手を添え、自分の胸へと引き寄せる。
…予想はしていたが、こいつはまた随分とつまんねぇ事で悩んでいやがったな…。
『ロ、ロー…?』
「…お前なら話は別だ。」
『え?』
「もうお前は俺の中で“特別”な人間になってんだよ、気付け馬鹿。」
『ば、馬鹿って…!』
「この俺がなんとも思っていない女の為にわざわざ何回も時空を移動して助けるワケねぇだろ。」
『…そ、れは…』
「だいたい、馬鹿みたいに純粋で、お人よしで…そのくせ自分の事は蔑ろにする、相手の事を考え過ぎてつまんねぇ事で悩んで勝手にマイナス思考になるようなお前の相手は俺以外には無理だと思うが?」
『……そんな私、迷惑じゃないの?』
「…っだからお前は、いちいち考え過ぎなんだ。たまには素直に自分の気持ち言ってみろ。…俺の事、好きなんだろ。」
尋ねるような言い方ではなく、断定した言い方でそう聞けば、桜は静かに頷き、そして一つ深呼吸をすると、意を決したように俺を見つめてきた。
『…好き。』
「…。」
『好き、大好き。』
…自分で促しといてアレだが、普段は極度の照れ屋のくせしてこんな時にだけ素直になるのは反則だと思う。(まぁ多少なりとも酒の力もあるんだろうが。)
今すぐにでも押し倒したい衝動をなんとか抑え、再び桜の身体を抱きしめた。
『…ロー…』
「うるせぇ、黙って抱きしめられてろ。」
『…ふふ、照れてる?』
そう言ってやっと笑った桜につられ、俺の口元にも笑みが浮かぶ。
…からかうような物言いは少し気に入らねぇが。
『……どうしよう、まだ信じられない……』
「あ?なんなら頬でも引っ張ってやろうか?」
『…全力で遠慮します。』
「っぶは」
頬を膨らませ、ガキみたいな拗ね方をする桜に思わず吹き出した。
「お前…っくく、ガキかよ…」
『…すみませんねぇお子様で。』
「でも」
少し身体を離し、桜の顎に指をかけて上を向かせる。
案の定真っ赤になる桜へ、唇がくっつきそうなくらい顔を近付け、囁いた。
「…そんなお前ですら可愛いと思っちまう俺は、相当お前に惚れ込んでるらしい。」
『んな…!!??』
湯気でも出るんじゃ無いかってくらい真っ赤になった桜に、わざと音を立てて軽くキスをした。
『な、な、な…いいいいきなり…!心の準備も出来てないのに…!!』
「今日はこれで我慢しといてやる。…本当は今すぐにでも押し倒して食っちまいたい所だが、お前の“心の準備”が出来るまで待ってやるよ。」
『お、押し倒…っ!?』
「…ったく、俺を待たせるなんてお前くらいのもんだ。」
『…ごめん、なさい??というかちょっと待って、なんか色々と衝撃的な発言やら出来事やらがあったせいで頭がぐちゃぐちゃしてます。』
「…っくく…つまり、」
『え…!?』
「 」
何故か敬語で話す桜に小さく笑いながら俺の言動の答えを囁いてやれば、とうとう腰を抜かせてその場にへたり込んだ。
…これが俺の言動の答え。シンプルでわかりやすいだろ?
繋がる想い。
(「そんだけお前を愛してるって事だ。」)
あとがき
やっとこさくっつきました!
これからは時系列バラバラでひたすらイチャつかせようかと思います。終わりの無い物語です。(笑)
しいて言うなら、ここで一区切りですかね?