繋がる想い
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酒で紅潮した顔や少し舌足らずな口調、見上げてくる深い海の色をした、潤んだ瞳。
そんな桜が今いる所は“俺の船”。
…本当に、やっと手の届く範囲に連れて来れたんだな。
そう改めて実感したのと同時に、身体が勝手に動いていて…水を飲ませてやる、だなんてちんけな理由をつけてあいつにキスしていた。
「(…やべぇ…。)」
水を口移しした時点でやめるつもりだったし、自分を止められる自信もあった。
…が、しかし。桜の何故か甘く感じる唇の柔らかさに、時折漏れる艶っぽい声。弱々しく俺の服を掴む様子に、一気に頭のネジがぶっ飛んだ気がした。
段々と深くするキスに、頭の中で警鐘が鳴り響く。
“これ以上は本当に止まらなくなるぞ”
「…。」
なけなしの理性を総動員させ、桜の華奢な身体を抱きしめる事でなんとか己を抑える。
抱きしめた腕の中で桜が固まるのがわかった。
…どうやら今回は前回より理性がはっきりしてるみてぇだな。
「…おい。」
『!』
声をかけると僅かに身体が跳ねた…チッ、怖がらせたか…?
一つ溜め息をついてから、少し身体を離す。顔を見てみれば案の定桜の瞳は涙で濡れていた。
「…本当はお前から言わせたかったんだがな。」
『……え……?』
頭に疑問符を浮かべている桜の瞳を見つめる。
「…俺は、お前の事が好きだ。」
…そう告げれば、桜は落ちるんじゃねぇかってくらい瞳を見開いた。
無言で見つめ合う間、心臓は早鳴るしやけに時間が長く感じる。
あぁちくしょう、こんなの俺の柄じゃねぇのに。
わざわざ言う事でも無いからこいつには言わねぇが、「好きだ」なんて言葉は今までに数え切れねぇくらい吐いてきた。当然そこに気持ちはこもって無いが、女をその気にさせるには一番手っ取り早い言葉だからな。
それなのにどうだ?認めたくは無いが…俺は今、緊張している。
桜の気持ちを知っているのにも関わらず、だ。
「(…っくく…俺も随分と青くなったもんだな。)」
まるで初めて恋をしたガキのような自分に内心笑いが零れる。
…そうしていると、腕の中の桜が小さく動いた。