突然の
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ローに横抱き…俗に言う“お姫様抱っこ”をされた状態で船内を進んでいく。
…この状態を恥ずかしいと思う程度にはまだ理性が働いているらしい。
それでも口から手を離さないのは、今口を自由にしたら自分の気持ちをローに伝えてしまうと言う、嫌な自信があるからだ。
「…気持ち悪ぃのか?」
『……。』
ローの言葉に、本当は違うのに黙って頷く。そういう事にしといた方が喋らなくて済むと思うし…。
「水飲めば多少マシになるだろ。」
気が付いたら食堂に着いていて。
私を優しく椅子に降ろしてくれた後、ローはキッチンから水を持ってきてくれた。
『…あり、がと…』
小さく御礼を言って、ローの持っているコップに手を伸ばす…が、何故かローは渡そうとしてくれない。
立っている彼を見上げると、その瞳はじっと私を捉えている。
『…っ、ロー…?』
「…飲ませてやるよ。」
そう答えた直後、ローは持っていたコップの水を口に…って、それ私の水じゃないの?飲ませるって…?
『…ん…!!』
…ふわり、と香る、少しお酒の匂いが交じったローの匂い。
文字通り目の前には閉じられたローの瞳。
…唇に、触れた熱…
あ、れ…私…キ、キスされてる…!?
『~っ!!!ちょ…っ!!』
あまりにも突然の事に、とりあえずローを問い質そうと彼の胸を押し返し口を開けた瞬間、生温い水が流し込まれる。
逃げようにも後頭部を手で固定されて、元から酔いのせいで上手く身体に力が入らない私はどうにも動けず…ただただ弱々しく彼の服を引っ張るのが精一杯だった。
『!?』
ヌルリ、と柔らかくて熱い何かが口の中に侵入してくる。
微かにお酒の味がするそれがローの舌なんだとわかった所で私はどうすれば良いのかわからない。
『…ふぁ、ん、』
水なんてとうに無くなっているのに、いまだ離れないローの唇。
勝手に漏れる自分の甘すぎる声に耳を塞ぎたかったが、いつのまにか後頭部を押さえている手とは反対の手で抱きしめられ、それも叶わなかった。
何度も何度も角度を変えてされる深い口づけに、息苦しくて頭はボーッとしてくるのに何故か段々と酔いは醒めていく。
『…ロ…っ、』
…やっと解放された時には、私の息は絶え絶えで。
馬鹿みたいだと思うかもしれないけど、ローとのキスで酸欠になって死ぬかと思った。
なんでこんなこと、と言う言葉が私の口から出る事は無かった。
…あまりにも優しく、まるで壊れ物を扱うかのようにローに抱きしめられたから…。
突然のキス
(…これは夢?私、また寝ちゃったの…?)