さようなら幸せよ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
気が付いたら空が白んでいた。
私の身体に回されているローの腕をそっと外し、ベッドから出る。
暑い中冷房もつけずに昨夜の片付けをし、汗だくになった後シャワーを浴びてかすかに残るお酒の匂いを落とした。
あんだけ飲んで、あんなに酔ったのに二日酔いにならない私って実はお酒強いのかしらうふふふ。
まさか私があんな事言い出すなんてローも驚いただろうなぁうふふふ!
…すみません誰か今すぐ私の頭を殴って記憶を消してくれませんか。
頭から冷たいシャワーを浴びつつがっくりと肩を落とした。
『………やってしまった。』
言うつもりが無かった事全て言ってしまった嫌だもうお酒怖い!
あぁもう!!いっその事記憶が無ければ良かったのに!!なんで全部バッチリ覚えてるの私!!
『……好き、だなんて…』
…ずっと気付かないフリをしていた自分自身の気持ち。
いくら恋愛経験値ゼロの私でも、これが“友達として”の気持ちじゃないくらいわかる。
『まさか異世界人に恋するとはなぁ…』
ははは、と自嘲にも似た笑いが零れた。
『……酔っ払いの戯れ言だと思ってくれないかな。』
叶わない事くらい理解している。だからこの気持ちはもう一度私の心の奥底にしまっておこう。
……忘れる事は、出来ないだろうけど…。
『…はぁぁ…』
深く溜め息をついてから私はお風呂を出た。
髪の毛を拭きながら時計を見ると、時刻はまだ8時で。
…朝から冷静に行動していたように見える私だけど、テンパり過ぎてただけなんです。じゃなきゃ朝5時から行動なんてしない。
『…とりあえず、ゴミ出してこようかな。』
呟きながら台所に置いてあるゴミ袋を見る。
…空き缶に、ビンに…どんだけ飲んでるの私…いや、半分以上ローのだけど。
ゴミ捨て場はマンションの一階に住人共用の捨て場がある。
まだローは起きないだろうから捨ててきてしまおう。
…ローがいなくなってからだと、彼を思い出して泣いてしまうかもしれないから。
『…あ。』
ふと目に入ったのは、ソファーの上に置かれたローの帽子だった。