酔っ払い注意報
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極力人との関わりを避けていた私は、当然飲み会になんて参加した事が無かった。
お酒なんて、成人した時にちょっと大人な事がしたくて買ったサワー1本くらいしか飲んだ事が無い。
…つまり何が言いたいかと言うとですね、私は自分の限界を知らなかったんですよ。
『ろー!』
「………。」
…あの後涙を我慢しつつお酒を大量購入してきた私は、ローに自分の『寂しい』と言う気持ちに気付かれたくなくて…努めて明るく振る舞っていた。
《嫌な事があると飲みたくなる》なんてテレビで良く見る事だったけど、あれは本当なんだなぁと身を持って実感しました。
…寂しさを誤魔化すかのようにかなりのハイペースで飲んでしまった飲酒初心者の私は、あの時完っ全にベロンベロンの酔っ払いだったからだ。
『ろー、かえれるのよかったねー!』
「…はぁ…飲み過ぎだ、馬鹿。」
『わたしよってないよ?』
「酔っ払いは大体そう言う。」
呆れたように呟くローに、私はまるで子どものように頬を膨らませて拗ねる。
『ねぇ、ろー?』
「…なんだ。」
『わたし、やっぱりよってる。』
「見りゃわかる。」
『…よってるの。』
…酔ってる割に、頭の中では『それ以上は言ったら駄目だよ』なんて冷静な自分が必死に語りかけてくる…なのに口は止まらない。
「…何が言いたい。」
…駄目だよ。
『…ほんとはね、』
…言っちゃ駄目。
『…わたし、ろーがいなくなるのすごくさみしい。』
…そんな事言ってもローは困るだけなのに…。
『あしでまといはいやだからいっしょにはいけない、けど…ろーとはなれるのはすごくさみしいし、かなしいなぁ…。』
…あぁ、なんてわがままなんだろう。
お酒が入る前、ローは再び私に「一緒に来い」と誘ってくれたが、足手まといにしかなれない私は断った。
ローはきっと、すごく大きくて叶えるのが大変な夢を持っている。そんなローに船員さん達はついていっている。
…それを邪魔するような私は、いない方がいいんだ。
そう、自分で結論づけて納得したはずなのに…アルコールが入るとそんな“大人の事情”なんて知らん顔で、ただただ子どものように自分の感情に素直になってしまう。
『ほんとはね、ろーといっしょにいきたいんだよー』
「なら来りゃ良い。」
『“おとな”で“じょーしきじん”なわたしはいろいろかんがえちゃうんですー。』
「あ?酔っ払いが何言ってやがる。」
『…それに、ろーといっしょにいったら…わたし、いまいじょうにろーにいぞんしちゃうもん…』
…アルコールが入っている事で身体もいつも以上に正直だ。涙が浮かんで来る。
『ろーのせかいのこと、わたしなにもしらないから…きっとろーにたくさんたよっちゃう。』
「…別に構いやしねぇ。」
『ろーのふたんになるのいやなのー!』
あぁ、もう本当私何言ってるんだろ…。
『…ろー…』
「!?」
自分の意識とは無関係に身体が勝手に動く。
…今の私は酔っ払いなんだ。全部お酒が悪いんだ。