泣き虫笑顔
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ローの胸でそのまま眠ってしまった翌日。
起きるなり昨日ローの前で泣きまくった事やらなんやらが恥ずかし過ぎて叫びたくなったのを堪え、彼に謝り倒した後、私は必死に平静を保ちながらローと接していた。
言いたい事全部言って、泣きまくって挙げ句の果てにそのまま疲れて眠るとか子ども過ぎる…!!
…でも、受け入れてもらえた事が嬉しくてついにやけてしまうのは仕方ないと思うんだ。今までそんな経験無かったし。
『きょ、今日のバイトも8時までだから、ご飯少し待っててね。』
「…あぁ。」
相変わらず寝起きが悪い彼は眉間にシワを寄せつつも返事をしてくれて…良かった、昨日の事は特に気にしていないみたい。
内心ホッと胸を撫で下ろし、私は『行ってきます。』と家を出た。
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『や、やっと終わった…』
…昨日研究所の人間に見つかった事で、私がこの辺に住んでいるという事はバレてしまった。
なので一人で外にいる程怖い事は無い。ローは受け入れてくれたけど…見つかった時に逃げる為とは言え、あの力は頻繁に使うべきではないし、使いたくない。
…少しばかりこの街に長居し過ぎた。店長には(適当に理由を作って)辞めるという話をしたので、早く次の家とその近辺でのバイトを探さなくては…。
とりあえず、帰ったら荷物をまとめよう。
そう考え、早く帰ろうと更衣室で着替えていると、同じ上がり時間の女の子達が騒いでいる声が耳に入ってきた。
「ねぇねぇ、出入口の所に超格好良い人がいたの見た!?」
「見た!!入れ墨しててちょっと怖そうな細身の人でしょ?やばい格好良かったよね!!」
「うんうん!!誰か待ってるのかな!?」
……すみません、入れ墨してて怖そうな細身のイケメンって…一人どんぴしゃりな方が私の知り合いにいらっしゃるんですが。
もしかして、と言う気持ちと、まさか、と言う気持ちが入り混じって私を急かせる。
大急ぎで支度を終え、挨拶もそこそこに出入口へと向かう。
「…遅ぇ。」
『…なんでいるの…』
ガードレールに腰掛けていたのはやはりと言うかなんと言うか…ローだった。
何かあったのかと尋ねれば「別に」と返されて思わず首を傾げる。
とりあえず今いる場所では目立つので、二人並んで家へと向かって歩き出した。
『本当にどうしたの?』
「…勝手に連れてかれても面白くねぇからな。」
『…え?』
「どうせお前の事だ、見つかってもあの力使う気ねぇだろ。」
『ゔ…も、もしかして…それで迎えに来てくれたの?』
「…俺が一緒なら、バラしちまえば良い話だ。」
私の少し前を歩きながらこちらは見ずに言うローに、胸が熱くなった。
『…バラしたら吹き飛ばすよりも大騒ぎになる気がするんだけど。』
「くっつけりゃ戻るんだ、問題ねぇ。」
『バラバラなのに生きてるとかすっごいホラーだよね。』
「いっその事殺しとくか?」
『や、止めて!あんな人達の為にローが犯罪者になる必要無いから!』
「…お前、俺が海賊だって忘れてるだろ。」
『忘れてない!けど、こっちの世界は例え相手がどんな人間だろうと一人殺しただけで重罪なの!』
「…本当平和だな。」
呆れたように溜め息をつくローに苦笑いで返しながらふと思い出した。
…そう言えば、もう1ヶ月経つけど…ローはいつぐらいに帰っちゃうんだろ?