歯車
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ローがこちらに来てから2週間とちょっと。
今日は本屋に行きました。ローがこちらの世界の医学書が欲しいと言ったので。
…当たり前のように図書館の本を持って行こうとしてたのには流石に『阿呆かー!!』ってツッコミました。その発言のせいで高い医学書を買わされる羽目になりましたよ…うぅ…。
ちなみに、図書館には4日に一回のペースで通ってました。あの量を毎回3日で読み切り、しかもまた同じ量借りるとか…意外と勤勉家?とりあえずローってすごい。
……もう、いつ元の世界に帰るかわからないので図書館は利用していない。
本屋から帰る途中、せっかくなので公園に寄り道をしてみた。
『何か飲み物買ってくるね。何が良い?』
「…コーヒー。」
『わかりました船長!』
ビシッと敬礼してみたら「さっさと行ってこい」って言われた。ちょっとくらい乗ってくれても良いのに!
私達が今いるのは、本屋から少し歩いた所にある大きな公園。
原っぱがあって、子ども達が元気に走り回っている。
ほら、公園で読書って言うのも良いかなぁって。
…ローが公園で読書している所を想像してみたらすごく似合ってて何故かちょっと悔しくなった。何しても絵になるってすごいな、中身暴君だけど!!
アイスコーヒーとお茶を自販機で買い、ベンチに座る彼の元へと早足で戻った。
…良かった、今日は女の人に囲まれてない。
『お待たせ!』
「…いや。」
私からアイスコーヒーを受け取って飲むローは、まるでCMのようで…これいつかオファーくるよ、うん。
中身暴君だけどね!!(二回目)
『今日の夜、何食べたい?』
「なんでも良い。」
『じゃあサンドイッチで。』
「……てめぇ……」
『冗談でーす。』
「…チッ。」
『あははは!』
面白くなさそうに舌打ちをするローが、まるで拗ねた子どものようで思わず笑ってしまった。
楽しい、な。最近心から笑えてる気がする。
…しかし、そんな幸せも長くは続かなかった。
ガシッ
『…え…!!!!』
「…やっと見つけましたよ。」
突如捕まれた腕と「見つけた」と言う言葉に、目の前の男があの研究機関の人間なのだと瞬時に判断した。
…しまった!!
『は、離し…!!』
「あの日、お迎えにあがったらいなくなっていたのでびっくりしましたよ。いいから黙ってついてきて下さい。」
もがいても力では敵うはずが無く…不覚にも少し泣きそうになった時だった。
「…おい。」
「は…ってててて!!!!!」
『ろ、ロー…』
私の腕を掴んでいた男の腕をいとも簡単に捻り上げたのはローだった。
タイムリミットまであと少し
(“時間よ止まれ”)
(…無駄だとわかっていても願わずにはいられなかった。)