モテモテ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『…さて、どうしよう。』
ちょっと目を離した隙に、ローが綺麗な女の人達に絡まれていました。
実はこれは初めてではない。
むしろ外出する度に高確率で一度は目にする光景だ。
漫画とかでよくある“彼女のフリ大作戦”は私が男の子に変装しているので出来ず…。
かと言って弟のフリは大して効果が無い。
一度してみたが、「もう大きいんだから一人で遊べるわよね?」って女の人からお金を渡された。
まさかの“親子のフリ”って手もあるが、流石に無理がある。
うーん、と悩みながら観察していると、あからさまに不機嫌なローと目が合った。
うわぁ、顔に「うぜぇ」って書いてあるよ。眉間のシワすごいよ。
「…おい!」
冷静にローを観察していたら、本人が私に向かって声をかけてきた。
…あ、やばい。怒られるかな。
それよりも女の人達の視線が痛いんですが。
「なぁに、あの子。弟?…って!ちょ、ちょっと!?」
引き止める女の人の声なんてまるで無視して、ローは私の方へと歩いてきて…でも女の人もついて来ている。
「…てめぇ、気付いてたならさっさと来い。」
『いや…あの輪の中に突入するにはなかなか勇気がいるよ。』
「…ねぇ!なんなのその子!」
全く諦める様子が無い彼女達に、ローが深い溜め息をついた。
「…俺の女だ。」
「は…!?」
『え!?むぐ…』
彼女達と一緒に驚きの声を上げた瞬間。ローに引き寄せられて彼の胸に顔をぶつける。…地味に痛い…けどこれって、知らない人が見たら抱きしめられてる状態…!?
「そ、その子、男じゃないの?」
「あぁ。」
「なんで、そんな色気の無い格好してる子なんか…!!」
「…俺がさせてんだ。」
「…え?」
『?』
ローの言葉に彼女達の口が止まるが、それに構う事無くローは言葉を続けた。
「こいつがあまりにも可愛くて、他の男に見せたくねぇんだよ。」
『「!!!」』
ニヤリと笑って柄にも無い事を言い出すローに対し、恐らく真っ赤であろう私。
…良かった、帽子被ってて。
「…おい、桜。」
私が恥ずかしさに俯いている間に女の人達はどこかへ行ったようで…ローに名前を呼ばれた。
…が、勿論今彼の方を見るなんて事は出来ない。こんな真っ赤な顔で見たら確実にからかわれる。
「…っくく…あんなの演技に決まってるだろ。」
『わ、わかってるよ!!』
「なんだ、ああいう言葉がお望みならいくらでも言ってやるが?」
『う、うるしゃい!!』
「…っははは!」
…訂正、どちらにしろからかわれました。
同居人はモテモテです。
(お前、噛んでんじゃねぇか…!)
((ローがめっちゃ笑ってる…!珍し過ぎる…!……でもやっぱり面白く無い!))
あとがき
演技とか言いつつ6割くらい本音なローさんだと良い。